隠レ蓑

お山の記録と、日々の懊悩

西丹沢・雨棚 登攀

8/31 雨棚 登攀 with Oさん

 

☟普段は左壁沿いに一条に水を落とす雨棚であるが、前日の降雨で増水していて多条に流れを広げていた。なんかキレイだったなぁ。去年見たより水量がずーっと多くてなかなか圧巻です。しかし登ったのは増水しても濡れていない右壁だった。1pは下部のリングボルトが2発打たれたテラスまで、各自フリーで適当に登った。<1p 取り付き~下部テラス Ⅲ級>f:id:Kakuremino:20190903121216j:image

☟取り付きから10mほど登ったテラスから2pを見上げたの図。2pは私。テラスから残置スリングが垂れるコーナーを直上するが脆くてちょっとコワイ。コーナー終わりでは、せり出した大岩にボルト2発。それにアブミをかける時はスタンスがグズグズなのでさらにコワイ(去年あったスタンスやブッシュは落ちてなくなっていた)。ハング越え的な大岩の上は2ポイント支点の状態がブブーだった。ひしゃげたハーケンは信用せずアングルを打った。その上は埋まったハーケンを掘ってナッツのワイヤーを通して使った。人工で左上し、緑の凹角に入るところでスリングが尽きそうな予感がするので、残置ボルト2点でピッチを切った。割と足場が安定している。ここまでの一連が核心でしょうね。<2p コーナー直上から凹角手前まで20m Ⅴ級A2>
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☟フォローのOさんを見下ろしたの図。
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☟3pの緑の凹角を登るOさんの図。凹角の抜けが小テラスになっており、そこでピッチを切った。本来なら2p目でここまで来るのであろう。下部と比べれば支点もほどよく、頑張ればフリーでも登れそうな感じ。もちろん君子危うきに近寄らずなので、フォローの私はA0でバーッと登った。<3p 凹角15m Ⅳ級A1>
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☟4pの落ち口へ向けて左上するの図。私が登らせてもらった。小テラスからはボルトがよく見えず、左上するクラックをネイリングでなんとか登るのかと思い、気合を入れてみたが、普通にボルトラダーが落ち口へと伸びている。1本新しいボルトが打たれていた。これがなかったらボルト間隔的に落ち口まで登るのは難しいだろう、という1本。おかげさまで大した苦も無く、最後は無駄に軽くシャワーを浴びながらトップアウトした。<落ち口まで左上15m Ⅳ級A1>
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☟雨棚落ち口。
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☟登山道までの小滝で、ちょい滑りの一本橋にトライするOさん。あっさり越えたが、続く私は最後の一歩で足が滑りそうになり、悲鳴を上げながらきわどく抜けた・・。
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地獄棚。次はこれかね。
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雨棚と地獄棚の間の右岸にある80mはありそうな逆層スラブ滝。これはどうしようかなぁ。
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雨棚は去年の4月に単独で敗退した思い出があるね。その時はぐっしょりした落ち葉が全体に堆積していて、スタンスも落ち葉でよく分からないし、残置ボルトも隠れてしまって全然見つけられない、という状況だった。4月は失敗だったなぁ。

一方、今回は一人じゃないし、雨の後だからかやけにキレイですっきりした登攀でしたね。ありがたいボルトに導かれて落ち口に抜けられました。雨棚よいですね。ただ、登りながらOさんと「今日は水が流れてるけど多分もっと水流沿いが登れそうな感じするよね~」なんて話してたが、実際はどうなのだろ。水流で分からなかったけど、そっちもボルトラダーなのかなぁ。今度来ることがあったら・・・と思いつつ、次はほかの滝を登りたいから、まぁまず今度はないか。

丹沢の主だった滝。今日みたいに、ときどき思い出したように訪れて、バーッと登攀して帰る、みたいな山行がたまにできるとよいですね。神奈川県民として、細長く丹沢の滝を登っていこう!

 

尾白川 鞍掛沢~乗越沢

8/24~25 尾白川 鞍掛沢~乗越沢

 

入渓してすぐの女夫滝。f:id:Kakuremino:20190827144337j:image

本谷と鞍掛沢の出合のちょい手前は尾白グリーンのプール。
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鞍掛沢に入るとぐっと水量が減り、輝く水面の緑と木々の葉っぱの緑のコントラストが美しい沢歩きになる。
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鞍掛沢は穏やかな流れの中にいくつかの短いが楽しい小滝をかける。
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乗越沢出合いの滝。ボーっと歩いていると見過ごしてしまうだろう。
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乗越沢に入るとさらに水量も減り、アザミが多くなるものの、しっかりした踏み跡がどこまでも続いている。
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登山道のようなキレイな道で鞍部に至る。
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地味に長い登山道を経て日向山。
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実に久しぶりの大人数での沢だった。とある講習会に臨時講師として参加したのだった。私なんかが講師だなんて・・・と自分でも思わず笑ってしまうが、多少の考えがあって参加したんだよ。

沢登りは独学でやってきたから、自分としては適切だと思って下した判断も、他の経験豊かな講師からすれば適切ではない!と否定されるかもしれない。ぼかぁ所詮独学ですから・・。そんな劣等感?みたいな自己否定感情は根強く、独学もんが人様に教えるような資格はないと考えてきた。そのため、教える、つまり他人に何か影響を与えるような行為は、極力避けてきた。

でもこの頃、いく人かの気心の知れた仲間と話すなかで気づかされた。うぬぼれではないけど、長く、それなりにきちんとやってきた人たちは、最終的には同じような判断や経験値に行きついていって、さまざまなことを共有できる、と。

それで私も人にきちんと教えることができるようになりたいなぁ、とぼんやり思うようになった。言い換えれば、いち独学もん登山者としての自分を、ようやく自分自身が受け入れられるようになった、ということだろうか。

でもやはり初心者の人に何かを教えているとき、自分なんかが言っていることは本当にこの人にとってよいことなのだろうか・・・と無意味に思い悩んだりする。いちいち他の講師に自分が言ったことやったことが適切なのか確認したくなる。

まったくもって自信がない。鏡を通して見えてしまう自分の底の浅さと向き合っているような、何とも言えないネガティブな思い。懊悩そのものだ。時間が必要だ。

 

宝剣~伊奈川本谷下降

8/10~12 宝剣から伊奈川本谷を下降 with SKさん

 

計画では中御所谷から宝剣岳中央稜を登り、伊奈川本谷を下降する予定であった。車2台で、1台を倉本林道の登山口にデポして、伊那から木曽へ、なんていうちょっとした沢旅がしたかったんだ。

メインははっきり言って長い伊奈川を悠然と歩くことで、遡行でも下降でもどちらでもよかったのだが、伊奈川だけではどうにも物足りなく感じていて、それでこんな計画になったのだった。数年前に大きな怪我をしてしまい、沢登りリハビリ始めのSKさんには適したルートかと思っていたが・・。

結果としては、登攀的な中御所谷はSKさんにはまだまだ難しかったようだ。日暮の滝からCS滝を巻き沢に戻るまでで3時間。時間がかかりすぎることと、登攀に相当の不安を感じたことから下降することにした。SKさんの現状など僕の見極めが甘くて申し訳なかった。それでお気楽にロープウェイで千畳敷へ。この時期、植生保護のため下からのアプローチはできないので、とりあえず登山道で宝剣山頂に向かった。

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中御所谷の日暮の滝
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(左から)千畳敷から宝剣/中央稜のスカイライン

が、山頂も立ち入り禁止ロープが張られ、これみよがし?にバツ印も。周りはハイカーの群れだ。こんな大注目?のなかロープを出して懸垂下降して・・なんてできるかね。お山は背徳的な楽しみが占める割合が多いほうだけど、それは隠微にやりたいもので、こんなに開けっぴろげじゃあな。楽しくない。やめましょう。

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(左から)宝剣山頂から中央稜終了点?のピナクル/中央稜の山頂直下の草付きリッジ

それでとりあえず頂上小屋でテン泊した。中御所谷で見た限り、SKさんは怪我の影響もあって、沢や岩のような不整路の歩行や登攀を3日間フルでこなすのは大変そうに見えたので、結果的にはよかった気がする。時間に大きな余裕ができたので、またビール飲みながらアマゾンプライムトム・クルーズだよ。

翌日、晴れのなか撤収して宝剣へ向け登山道を歩き出した。中岳の巻き道はここらへん一帯で一番好きなところで、その理由は勿論ここだけ急に人が減るから。いろいろと周囲を眺めながらぼんやり歩いた。

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(左から)滑川中間稜/被っている天狗岩/宝剣沢
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(左から)牧歌的な千畳敷カール/極楽尾根/極楽平手前から宝剣を振り返る

伊奈川への下降は三沢岳分岐から見て決めることにしていた。空木方面はどこまでも植生保護の立ち入り禁止ロープが張られている感じなので、三沢岳への登山道から下降することにした。

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(左から)三沢岳分岐から伊奈川源頭/三沢岳への登山道鞍部

草付きのなかに微妙につながる流水溝を拾って源頭に下りた。結構高いところから水が出ており、湧水豊かである。

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伊奈川源頭の図

それからは分かり切ったことではあるが、特出すべきイベントもなく、ゴーロ帯を口笛を吹きながら歩き下るのみである。しかしSKさんは濡れていて時々滑るゴーロの下降がかなり大変そうだ。2か所ちょっとしたところだったが念のためロープを出した。概ね1時間ごとにSKさんの歩行距離と歩行の状態を確認して、3~4回目、つまり3~4時間くらいで、ホントに伊奈川を下るか、やっぱ戻るか、自分のなかで決めてSKさんに話すことにした。正直結構心配な感じがした。伊奈川下降は長いし、無理はしてほしくないからな。

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源頭の図
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2300mあたりでプチ巨岩帯

しかしSKさんも元々かなり激しく登ってきているし、最近はトレランで体力的には充実している人なので、ヨロヨロとストックをつきつつも、少しずつ慣れてきている気がする。それに中御所谷も中央稜もやめたので、メインの伊奈川の下降もやめたら喪失感でいっぱいになってしまうだろ。やっぱ引き返しましょう、とはもう言えないなぁと思った。とことん行きましょう。僕はそんなタイプじゃないけど、ここは心を鬼にして頑張って歩いてもらうしかない。頑張りましょう。

それで黙々と歩いた・・。

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森林限界を下回り、2150mあたりでは完全に森の沢
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(左から)水は結構キレイで美味しい/こういう写真を撮りたくなるような気分

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水量はさほど多くないが、ときおりプール

SKさんには苦行になってしまったが、僕としてはこの牧歌的な美しい原生林の沢を、ホントに久しぶりに心から楽しく歩いた。幸せな気分ででかい石に座って空を見たりした。SKさんを要所でフォローする以外は、どの支流がどれで・・といった読図的なこともまったくせずに、ほとんど何も考えずに歩いた。2俣とかがあってもどこ?って感じ。GPS任せである。持ってくるだけ無駄だった2本の50mロープも重さを感じないね。

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(左から)2060m付近で右岸から大規模な崩壊/まもなく2俣

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楽しいゴーロ歩き

さきほどから空はもうすぐ降りそうな雲の具合。昼過ぎに案の定雨が降り始め、すぐ土砂降りになった。一時的な降雨であろうから雨宿りしてもよかったが、少しでも距離を稼ぎたかったため、引き続き歩いた。ザックをできれば濡らしたくなかったので、雨具のフードを被って、胴体部分はザックを覆うようにひっかけてみた。

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14時過ぎごろ一時的な土砂降りとなり、粛々と歩いた
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(左から)土の支流から濁った水が流れ込む/キレイだった本流が少し濁る・・

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1時間くらいで雨は止んだ。まぁまぁな増水。

16時まで歩いて、以降はテン場を物色しながら、と話していた。幸運にもすぐになかなかよい適地を見つけ幕にした。SKさんは辛かったと思うが、頑張ってくれたおかげでOKです。十分距離を稼げたので、明日はもう大丈夫でしょう。雨で濡れた木だがすぐに火が起きて盛大に焚火。SKさんはツエルトで寝て、僕はひさしぶりに焚火のわきに適当にごろ寝。虫に弱いので念のためモスキートネットは被った。翌朝。えらく寒くて震えたが、日が昇れば問題ないだろ。いつものとおり痕跡を消して出発した。

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(左から)1760m付近で今宵の宿/翌朝痕跡を消して出発の図

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朝の沢

伊奈川は思ったより水量が少なかったが、下流に差し掛かると場所を選んで徒渉する感じになってきた。足元に不安があるSKさんを助けるため徒渉はだいたいスクラムを組んだ。スクラム徒渉なんて久しぶりだなぁ。

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(左から)1630mで一番大きかったプール/この辺から時折側壁が立ってきた

そういや道中、2組、沢登りっていうより普通の登山って感じの人たちとすれ違ったな。往時の沢沿いの登山道をうまく拾って登っているのだろう。たしかに時折赤布がみられ、ちょっと拾ってみると原生林のなかの踏み跡になっていた。

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沢沿いの登山道?赤布が散見され拾ってみたり。苔がキレイ。

1500mの屈曲点は右岸のしっかりした踏み跡から巻いた。微妙なへつりで行けそうな雰囲気もあったが、まあいいでしょう。ここは流れが集束されていて、急流って感じで楽しい。

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屈曲点の手前(上流)の流れ

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屈曲点のミニゴルジュは右岸から巻き。

そのあとはもう終わりの様相である。あら堰堤が、と思ったら、すぐに左岸に踏み跡が現れ、拾ってみると林道まで一直線であった。なんだかあっけない幕切れだったなぁ。でもまあいいでしょう。沢歩きから山歩きにお着換えして、また歩き出した。

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(左から)屈曲点右岸支流の滝/ついに堰堤/すぐ大きな堰堤に着き下降終了・・

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感じのよい伊奈川沿いの林道、中八丁峠への分岐

最後に伊奈川の渡渉点で、顔を洗って水を汲んでバイバイした。いつか機会があったらと思っていた伊奈川本谷。来れてよかったなぁ、とぼんやり思った。こんな機会だったからSKさんと来れてよかった。

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吊り橋の跡が残る渡渉点で伊奈川とバイバイ
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(左から)中八丁峠/すごく感じのよい登山道で下山

沢から離れると暑い。しかも中八丁峠まではえらい急登で心が折れそうになってしまった。が、下りはめちゃくちゃ感じのよい登山道で最高。満ち足りた気分で登山口に下りたが、そこはもはややってられない暑さでゆでだこになりそうだった。

伊奈川本谷・・・、内容的には特に大きな変化や見所があるわけではないが、カールの源流から落ち着いた原生林の流れを長く歩けて楽しかったなぁ。僕たちは11時間ほどかけて源頭から下流の堰堤まで歩いたが、走るように急げば4~5時間で下れるだろう。ゆっくり歩いても、急ぎ足で駆け抜けても、楽しい沢歩きになったと思う。まあどっちでもいいんだ。

なんだか最近はお山に入れただけでもう満足である。

 

北方稜線~チンネ左稜線~剱岳

with Wさん

7/13(晴れ→雨):黒部ダム~池ノ平小屋

7/14(雨):北方稜線~チンネ~剱岳本峰~剣山荘

7/15(雨→晴れ):室堂に下山

 

 

【1日目】

黒部ダム(7:50)~内蔵助平(10:30)~ハシゴ谷乗越(11:25)~2俣(12:45)~池ノ平小屋(15:00)

7:30の扇沢始発で黒部ダム。荷物分けなどして観光放水直下の黒部川に下り、登山道を歩き出した。内蔵助谷に入りしばらく歩くと、藪がちょっとうるさいガレの向こうに丸山東壁が見えた。あれも行きたいけどまだ機会に恵まれてないなぁ。

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内蔵助平に架かる橋で少し休憩し、ハシゴ谷乗越への沢筋の登山道。明るい涸れ沢の詰めみたいな感じ。
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ハシゴ谷乗越からの下りでは、正面に登り返す仙人尾根が。
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また、途中で左をみやると剱がその頂を奥ゆかしくも軽くガスに隠し、眼前に飛び込んできた。否応なしに気分も上がる。もっとも、今日は日中は天気はまぁまぁだが、夕方から雨が降り始め、明日は午前中は雨、午後にかけて小康状態に、といったイマイチすぎる天気予報なのだが。
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7月中旬の剱沢は大水量のいかにも雪渓の沢といった様相。
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2俣に架かる橋を渡り休憩をはさみ、仙人新道へ。ここはちょっとアブがうるさい。
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途中の見晴らしポイントで三ノ窓雪渓をみやる。今年は積雪量は低標高では少な目だが、3月にドカッと降った関係で高標高では多めらしいね。仙人新道の最後の登りではゆっくりめのペースを守りつつも、もう軽くヘロヘロ。ここ最近の太ももの攣り癖対策で、経口補水液で水分補給し、芍薬甘草湯を予防的に服用してきたからか、ヘロヘロながらも太ももはそれほど消耗せずに歩いてこれた気がするけど、真相はどうなんだろう。結局単にオーバーペースだっただけという気もする。
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仙人峠を経て池ノ平小屋。小屋下の池にもまだ雪渓がびっしりであった。本日が小屋開きとのことで、私たち2人は奇しくも最初で、そして今日唯一の客になった。山小屋にお世話になることはまずないスタイルで登山をしているけど、夜は雨と分かっていたから、軟弱な私たっての希望で小屋泊にしたのだった・・。ほかに客のいない小屋は実に快適で、なんとお風呂も入らせてもらった。しかしながら、テレビで天気予報を見ると、どうやら明日は終日雨の予報に変わったらしい。なんてこった。
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いっとき剱沢と逆側の小黒部谷の向こうへ沈む夕日が見れた。小黒部谷は2017年に増水敗退した沢なので、このように幻想的な夕日のもと再会することができて感動した。
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19時すぎに闇に包まれ行く八ツ峰を眺めたのを最後に、雨が本格的に降り始めすべて見えなくなった。明日は・・・、とりあえず3時起きということで、アマゾンプライムで途中まで見た映画を終わらせて寝に入った。こんなとき、予想外に天気がよくなったぜ!なんてことは起きないんだよなぁ。
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【2日目】

池ノ平小屋(4:55)~小窓(6:25)~小窓ノ王(9:00)~三ノ窓(9:25)~チンネ左稜線1p(10:40)~チンネの頭(14:45)~池ノ谷乗越(16:40)~剱岳本峰(18:05)~剣山荘(20:35)

朝起きてもしっかり雨だった。軽くうだうだしてWさんとどうしようか話したが、結局まずは予定どおり北方稜線を進んで、チンネを登らないならそのまま室堂まで下山してしまおう、ということになった。雨がすこし弱くなった5時前に出発した。
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鉱山道のトラバースから小窓雪渓。上部はガスに包まれ見えない。
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朝から軽くヘロヘロで歩いた。
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小窓で小休止。
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小窓から登山道を2~30分ほど進むと一つ目の雪渓の通過となった。ガスであまり視界がないため登り気味に雪渓をトラバースしていくと、稜線上の鞍部に登り詰めてしまった。岩稜通しで小窓ノ王に向かうのは難しいと思われたので、露出した岩稜沿いの雪渓をいったん下り、さらにトラバースし直した。雪渓は2回の通過と聞いていたが、今回はまだすべてつながっているようだった。
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小窓ノ王の岸壁が見えてきた。数mだけ登山道が露出している箇所があったが、それ以外はまだすべて雪渓の下だった。
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下部は雪渓を詰めた。Wさんは手前の岩稜を登りハイマツを縫って付けられた踏み跡を拾ったようだった。
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コルが見えるあたりで雪渓がなくなりガレになった。
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小窓ノ王のコルではやたら沢山の高山植物が咲き乱れており、梅雨時の雨模様も相まって、生命の誕生を感じるみたいな崇高な気分になった、一瞬。
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池ノ谷左俣と剱尾根のシルエットがわずかに見えた。剱尾根は今後の予定に入っているので、もっとじっくり眺めたかった風景だが仕方ないな。f:id:Kakuremino:20190719202935j:image

小窓ノ王から池ノ谷側の軽く雪渓が残った急ガレから発射台を下った。そこから三ノ窓側へトラバースするポイントでは結構厚めに雪渓が残っており、壁と雪渓との隙間を縫って進んだ。雪渓がもっと厚かったらここは結構悪くなると思われる。このあたりから圧巻の池ノ谷ガリーが見えるはずだったが、ガスでもちろん何も見えず。
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三ノ窓への登り。
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三ノ窓のすごい幕営適地。真っ平だ。いや~歴史を感じるなぁ、ここで何人寝たことだろう、と。しかし焚火跡にゴミの燃えカスが放置されているのはいただけませんね。燃やすならちゃんと燃やしきる、燃やしきれないなら持って帰る、これくらいのこともできないのかね。
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三ノ窓の雪渓からチンネのスカイラインを見やる。チンネに登るか、室堂にさっさと下山するか、今日下山したとしたら明日どこに行くか・・、すこしWさんと話したが結論が出ない。ここ三ノ窓についた時間は9時半前。ふと雨が上がり、大町のほうに光がさしているのが見えた。それでWさんのやる気スイッチが入ってしまい、やっぱり登攀もしたいからチンネ行こうよ、と言う。天気予報によると昼前後はすこし小康状態になるらしい。その隙にチンネをバーッと登ってしまえば、と。しかし、最近というもの君子危うきに近寄らずモードの私としては雨とガスの北方稜線だけでもお腹いっぱい状態であり、しかもそれに加え、おそらく一瞬の小康状態に過ぎず結局また雨になるであろうチンネに登るとは。正直気が進まない。しかし心のどこかでは、雨のチンネくらいならまだ許容範囲、と考えていたのも事実。だからここにいる。時間的には剱岳頂上を経たら間もなく日没になるだろうが、雨ガス夜でも時間をかけて慎重に歩けばまぁ大丈夫だろう。なによりWさんのやる気に押された。ついつい「行きましょう」と言ってしまった。
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一筆書きの登山が好きだが、ここは登攀の確実性をとって、妥協して要らない荷物は三ノ窓にデポした。言い出しっぺのWさんが池ノ谷ガリーを往復してピックアップしてくれる、という約束で。急いで準備して、取り付きに向けて三ノ窓雪渓を下り気味にトラバースした。
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取り付き付近はまだ雪渓に埋まっていた。
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やる気に満ちたWさんにトップバッターをお願いした。岩はびしょびしょでフリクションはそこまでよくない気がする。再び小雨になった。2p目からはしっかり雨だった。
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序盤のⅢ~Ⅳ級くらいの硬くて快適なフェースが終わり、リッジのピッチ。ガスで高度感はない。
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リッジの後はまたⅢ級くらいの、今度は少し脆いフェース。それからまたリッジ。
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核心の「鼻」はWさんがサクッと越えた。こっちもフォローでダラダラするわけにもいかないし、急いで登ったなぁ。
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最後の長いリッジのほうがむしろチンネ左稜線のハイライトかな。青空の下であれば最高のリッジクライミングになっただろう。リッジは楽しい。好き系。
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チンネの頭。私はえらく慎重に登ったので時間がかかったが、Wさんはえらく早かったので、差し引きゼロで4時間程度で登攀を終えた。
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普通に歩いて直下の稜線上の両岸が迫った窓状のコルまで下った。
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そこからWさんが50mロープ+長スリングなどをフィックスして池ノ谷ガリーへ下降して三ノ窓へ荷物をピックアップしに行った。私もいったん懸垂下降して池ノ谷ガリーの登路を確認してから、登り返してフィックスを回収し、懸垂25m×2pで池ノ谷ガリーへ再度下りた(支点は25mで2か所残置あり)。休憩も含めて1時間半くらい使った。f:id:Kakuremino:20190719200306j:image

Wさんと合流し池ノ谷乗越へ。最後はまた雪渓の登高になった。
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それからは全体に明瞭。稜線上の岩稜を登ったり剱沢側の踏み跡を巻いたりで歩いた。私ははっきり言ってヘロヘロである。ピッケルのある小ピーク。
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長次郎ノ頭付近から、うっすらシルエットが浮かぶ剱岳本峰。
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長次郎谷左俣の雪渓はコルから見下ろす限りばっちりつながっているように見えたが、ガスで視界がきかないので実際どうかよくわからない。f:id:Kakuremino:20190720215611j:image

それからヘロヘロ、というか出力が上がらない低調な感じで歩き続けて、先行していたWさんに遅れること数分?、18時すぎに、やーっと山頂に着いた。
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雨もガスも相変わらずだし、時間にも追われてすぐ下山開始した。18時半ごろカニのよこばいを通過し、それ以降も時々ルートをはずしてペイントを探したりしながら粛々と下山した。夜になるにつれ雨が強くなった。
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やっと剣山荘の明かりが見えてきた。間に合うなら、時間も遅くて迷惑がかかってしまうが、小屋に泊めさせてもらいたいなぁ。剱沢まで行く予定だったけど、その場合このとおりパンツまでずぶ濡れで雨中ビバークだから、ちょっとやだなぁ。
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結局20時半に剣山荘に着き、なんとか泊めさせてもらった。本当にありがたくて感謝。山小屋は偉大だなぁ。あー疲れた。しかし・・・、そうなんだよ、小屋に泊まらない一番大きな理由を思い出した。奥に寝ているおじさんのイビキがすごくて、ほとんど一睡もできずに朝を迎えた。疲れたというのになぁ。イビキの周波数は抗いがたい不快度で、この夜も気を紛らわせるためにアマゾンプライムを大音量で見ることになった。
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【3日目】

剣山荘(6:30)~室堂(9:30)

眠い。計画では別山から雄山にかけて縦走し、一ノ越から黒部平に下山の予定だったが、私にはもう無理。私だけ室堂に変更させてもらい、扇沢待ち合わせでWさんと別れた。約10年ぶりの室堂は、昨日が今日だったらいいのに、という晴れ。
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10年前と同様、疲れ切った体で、忌まわしい石段を一歩一歩あえぎながら登り、山行を締めくくった。f:id:Kakuremino:20190719202849j:image

帰りのアルペンルートで。余談だけど、黒部ダムでは毎回殉職者慰霊碑にお参りする。いち登山者として大事なことだと思ってる。「尊きみはしらに捧ぐ」
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総括、というか自分の現状が改めて分かったなぁ。ひどいタイムだった。早い話が、ちょっとしたことでヘロヘロになってしまいお山に集中しきれない。3月から例年どおりひどい花粉症で体調を崩したが、今年はなかなか体調がよくならず、4月からは保育園に通い出した息子からもお熱や風邪などももらい、さらに他の理由もあって体調不良だった。最近は少しマシになったが、本調子には正直のところ程遠い。山ではできるだけ自由でいたいと思っているけど、そうするだけの体力的素地が、なにより精神的余裕がない今日この頃。限界値が低くなっているのを如実に感じる・・。もうダメだ。

そんなわけでイケイケのWさんには迷惑をかけてしまった。ごめんね。雨のチンネくらいの山行は許容範囲だったけど、今回は自分があまり自信がもてる状態ではなかったね。これは一時的なものなのか、それともこれからずっとなのか。今後も自分と相談しながら細々とお山を登って、少しでもポジティブに次へとつないでいきたい、なんて思ってるけど、子育てサラリーマンクライマーはみんな次々脱落していくよね。私はどうかね。私は結局平凡かね。もう少し頑張りたい自分と平凡へ突入したい自分と、比重は分からないけど、どちらもいる。でもやっぱお山行きたいかな。誰しもが様々な条件を抱えながらお山に向かっているだろ。今までどおり細々と頑張るよりほかないですね。

 

最後に蛇足ながら念のため警告します。北方稜線を目指している登山者の方は数多くいることと思いますが、この記録は参考にしないでください。雨もそうですが、濃霧のなかの行動はとても危険です。

 

おわり

中央アルプス 正沢川本谷

7/7 中央アルプス 正沢川本谷 with Sさん、Fさん

 

 

福島Bコース登山口に車を停めて出発。林道の途中で正沢川沿いを進むと思われる「沢登りコース」という登山道の分岐があって「へぇ~」と思ったが、左の「茶臼山コース」に進んだ。徒渉点にあったらしい橋は消失しておりワイヤーのみ残っていた。連日の梅雨模様で、沢はだいぶ増水している雰囲気。平水よりどれくらい多いんだろ。

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増水しており、また本流の下流部ということもあり、小粒ながらも渓谷歩きって感じで楽しめる。徒渉も場所を選らんで行う感じで、それもまたよい。しかしながら、気にならない程度ではあるが予報どおり雨が降ってきた。周囲は霧に包まれ開放的な渓谷歩きとはいかなかったが、梅雨どきの沢はこんなもんだろ。

玉ノ窪沢出合。まだ水量は多い。
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細尾沢出合。水量はこの出合で顕著に減った。
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最初の滝がやーっと出てきた。ゴーロの渓谷歩きも楽しいが、やはり滝場があるとアクセントになってもっと楽しい。右壁を簡単に登った。フリークライマーのFさんは無駄に水流近くをボルダームーブで登っていて、Sさんと顔を合わせて笑った。
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左岸支流の見栄えのする滝を過ぎると、小さいながらもゴルジュになった。増水もあいまって楽しくへつれた。Fさんは安定のボルダームーブ。
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核心の大滝。右壁から登れそうな雰囲気でちょっと触ってみたが、かなり脆くて岩に砂利が乗っていていや~な感じ。君子危うきに近寄らずモードであり、ガイドブックの示すとおり左岸のルンゼ(滝になっていたが)から巻いた。このルンゼも脆いので落石注意である。適当なところから大滝方面にトラバースしたが・・。
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どうやら巻きすぎたようで、大滝上の小滝群ゴルジュすべてを巻ききって沢に戻ったようだった。2俣の直下にたどり着いた。ルート中で滝場はごく短いのですこし残念だが、だからといって戻ってまで登る気にもならない。よしとしましょう。下の写真は巻ききってしまったゴルジュの出口を振り返ったもの。さらにその下の写真は2俣の右俣を見上げているの図。2俣では右俣のほうが水量も多く興味をそそられ、ついつい右俣に進みかけてしまったが、本流は左俣。Fさんに呼び止められ左へ進み直した。
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それからあとはまたぐっと水量も減り、そろそろ終わりですよといった感である。沢全体もそうだが、上流部は特に荒れ気味であり、近年の台風などの災害の影響をかなり受けているものと見受けられる。例えばガイドブックにある2俣上の小滝は埋まったのか同定できなかった。
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思ったより早くに水涸れし、ガレの登高となった。
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一か所CSぽい段差があり、突っ張りムーブを駆使して登るところがあった。クライミング的には大滝よりこれのほうが核心だったかな。
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さらにガレを登ると地肌が露出するようになり、そこからは左岸の草付きから藪に入った。先頭のSさんが踏み跡を見つけてくれた。薄いながらもしっかりついているので、皆こんな感じで登っているのであろう。
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最後はそう長くはないがハイマツの藪漕ぎである。最初は背丈を越えるハイマツでかなりしんどいが、それを抜けると一気に景色が広がり膝丈くらいになる。左側が尾根っぽい形状をしておりそれを直上した。露石も見られるようになり登るほどに登りやすくなる。ところで最近自分自身の劣化が激しく、太ももに攣り癖がついてしまったようで、ハイマツのなかで何度も攣りそうになってしまった。僕はここでストレッチ休憩となり、SさんFさんに先に行ってもらって、ノロノロ運転でなんとか2人を追いかけた。
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頂上から南側すぐのところで登山道に出た。
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展望はないが気持ちのよい天空散歩で数分あるくと山頂に着いた。
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下山は茶臼山経由の登山道を選んだ。5合目までは尾根歩きで気持ちよいものだが、そこからは樹林帯のつづら下りとなる。テープは頻繁に付けられているもののかなりマイナーなようで、藪が濃く石が軽く滑っておりちと歩きにくい。バラも多い。半ズボンのFさんは苦行になったようだ。徒渉点で顔を洗ってすっきりして登山口に戻った。

 

起点・福島Bコース登山口(6:30)~入渓(6:50)~玉ノ窪沢出合(8:15)~細尾沢出合(9:00)~大滝(9:50)~稜線(12:20)~将棊頭山(12:50)~茶臼山(13:50)~起点(16:20)

装備:補助ロープ25m(不使用)

 

岳沢、前穂

2017年5月から今年で丸3年。時が経つのはかくも早いものかと、今更ながら驚く。3年で俺も白髪が増えまくったなぁ。いろいろな愚にもつかぬ想念が湧くけれど、それらは自分の胸にしまっておきたいと思う。

多分これから上高地を歩き出し梓川の向こうに真っすぐに伸びる岳沢の真ん中を見上げるたび、いっとき感傷的になるだろう。とりあえず挨拶しよう、また来ましたぜ、と。そのような瞬間は山に登っている限り末永く大事にしたい。

急登にあえぎながら、貸してもらった紐締めのクランポンで、前穂に登った。ひとつの区切り。

  

西丹沢 湯ノ沢四ノ沢

5/19 西丹沢中川川・湯ノ沢四ノ沢

 

箱根屋沢出合に車を停めて歩き出した。第1堰堤を過ぎ林道末端から入渓した。といっても最初は土砂の流出で埋まってミニ戸台のようになっている。

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ゴーロを1~2分も歩けば少ないながらも水流が出てくる。
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第2堰堤。左岸巻き。仕事道がキレイに通っている。
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湯澤堰堤。左岸の石積みを登って巻いた。
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湯澤堰堤を抜けるとすぐに初めての滝、といってもほんの小滝だが、出てくる。右側を登ってⅢ級くらいかな。
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深田堰堤。手前に小滝。右岸の斜面を少し登ると明確な踏み跡(仕事道?)があり、何でもなく巻ける。この辺はよく踏まれているようだ。深田堰堤までもう少し歩くかと思っていたが、あっという間に着いてしまった。
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ちょっと見にくいが「深田堰堤」と刻まれている。
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深田堰堤を越え少し歩いた左岸の支流に、自然となにやら一体化したような堰堤群が見えた。これは九ノ沢の出合だったようだ。
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そしてすぐ、また左岸支流にどーんと威圧的な涸棚が見え、その前まで見物に行ってみた。これは八ノ沢の出合大滝だったようだ。
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沢はいっときちょっとしたゴルジュ状になり、花崗岩らしい沢床になった。
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黒棚40m。今日は多分普段にも増して水量が少ない気がするが、まさに黒い棚といった様相である。新緑の明るいグリーンに黒棚の陰鬱なブラックがよく映える。
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真下から見上げた。うーん脆そうだなぁ。
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巻きは左岸の斜面に付けられた残置ロープを伝って支点の木まで登った。斜面はズルズルで残置ロープがなければ結構きわどい。地味にコワイ。木から滝と離れる感じで枝尾根に向かって登った。
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枝尾根はよく踏まれている感があった。黒棚落ち口方面に行けそうだったので、落ち口にダイレクトにクライムダウンしたが、もう少し巻き進んだほうが安全な感じがする。
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黒棚の落ち口。
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滝上からは両岸が狭まってV字な感じ。ただ水量はさらに減って少し荒れ気味である。
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580mの二俣。右へ。
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2段25m。下段はちょっとだけ水流があるが、上段は緑に覆われている。こんな感じの滝はあまり見たことがなく、なかなか圧巻だったなぁ。
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下段は6mくらい。右側のボロいクラックを使って登ろうとしたが、クラックに落ち葉がえらく詰まっていてなんだかコワソウ。左側のスラブを数手上がってから緩傾斜を拾ってクラックの上部にトラバースして抜けた。地味にコワカッタ。ボロボロなのでロープを出して支点をとってもあまり意味はなさそう・・。
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上段を見やると草むらの急斜面のようで、これだけ見たら滝(というか棚)とは思えない感じ。
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ここから左岸の斜面を木をつないで登っていくが、花崗岩のザレと土のミックスですごく急なズルズルの斜面なので、とても悪い。最初は小さめに巻こうと滝から離れないように登ろうとしたが悪くてすぐ止めた。滝から離れるように右めに登っていくとルンゼっぽくなったところへ着き、そこからは斜度が落ちたので軽く直上し落ち口へトラバース。あとは落ち口になんとかクライムダウンした。もっと巻き進んだほうが確実だと思うが、その場合は懸垂下降になるのかなぁ。沢登り的には核心でなかなか大変な巻きだった。初心者の同行者がいたらロープを出してマルチピッチ巻きだっただろう。木があるので支点には事欠かない。写真は涸れた落ち口。
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滝上からはいよいよ両岸が狭まり薄暗くなった。なにやら陰鬱な感じ。水もない。
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740mほどで、緑のV字?トイ状?になった。これが十数m続いている。ちょっと悪そうなので手前から右岸の尾根を拾って沢から離れようかと思ったが、右岸もかなりズルズルの急斜面。トイ状を抜けたら沢から離れようと思い、つっぱりムーブを駆使して頑張って登った。ロープを出してもよい支点はとれまい。
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トイ状を抜けるといよいよ終わった感が漂う。右岸の尾根を拾って沢から離れた。
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橅ノ平まで詰める気にはならなかったので、762mへ至る尾根まで斜面をトラバースした。地形図にはない枝尾根の通過が何回もあり、読図はGPSサマサマだった。正しい尾根に着くとなんと紫のテープが貼られていて登山道のようにキレイ。ようやく一息ついて快適に歩き下ることができた。762ピーク付近では木道もある。
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が、762を過ぎ604直下では防護柵に行く手を阻まれ柵沿いに左を進んでしまった。これが大きな間違いで踏み跡はあっと言う間になくなり、丹沢でまさかの背丈を越える笹の藪漕ぎになってしまった。すぐに漕げるレベルではなくなり、獣道を拾って四つん這いでなんとか抜け出した。正しいのは右。確認のため登り返すと歩きやすそうな笹の切り開き道が通っていた。
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笹の切り開き道。
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さらに柵を左にしながら急斜面を下り、やっと箱根屋沢の対岸に降り立った。
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湯ノ沢四ノ沢は思った以上に短く、また思った以上に巻きが悪い沢でした。核心は黒棚と2段25m巻きで、後者のほうが格段に悪いです。初心者が気軽に入れる沢ではないと思います。また・・・、思ったよりキレイではなかったかな・・。ガイドブックに「秘境」と書いてあったので過度に期待してしまったかな笑。迷路のように支流が合わさる・・ので、支流の滝巡り的に訪れるのがよいかもしれません。ただしどの沢も巻きや下降は容易ではないと思うので、ロープはしっかりもっていったほうがよいですね。

下山はガイドブックのとおり762~604~中川川本流を辿りましたが、橅ノ平~762~第1堰堤が登山道?のように整備されているようなので、それを拾ってもよいかと思います。ただ、植林豊かで防護柵もあり仕事道も沢山通っているにもかかわらず、762~604の下山は読図がきちんと必要なので、その意味ではこちらもよいですね。

 

箱根屋沢出合(9:00)~第1堰堤(9:30)~深田堰堤(9:50)~黒棚(10:10)~2段25m(10:25)~緑のトイ状(11:05)~762m(11:55)~箱根屋沢出合(13:15)

装備:ダブル30m、補助ロープ25m、ハーケン2、ハンマー(全部不使用)