隠レ蓑

お山の記録と、日々の懊悩

前ヶ岳南壁V字第二スラブ

11月2日(土) 会越・御神楽岳 霧来沢右俣・前ヶ岳南壁V字第二スラブ

単独

 

1か月ぶりのお山。どこか遠くのお山に行きたい。自作「行きたいところリスト」を見たら、行きたい度上位にランクしている御神楽が浮かんできた。なかでも前ヶ岳南壁V字第二スラブは流程も短く、難易度も高くないらしい。今年は行けるチャンスがないかなぁと思っていたこの山域だが、晩秋の紅葉とスラブが一緒に楽しめるとなると、思わずまだ見ぬ南壁に夢中になってしまった。それに場所は福島。早めに下山できればアソコに移動してアレが食える・・・。アレを思い浮かべると登る前から下山モードである。

 

霧来沢沿いの林道を7km遡って登山口に車を停めて出発。停められるのは5台くらい。
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久しぶりの沢、しかも晩秋の紅葉の沢。早く沢歩きがしたくて、登山口から数分歩いて沢が近くなったところからさっそく入渓した。
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八乙女滝。右岸にフィックスロープが張ってあり、ありがたく使って登った。
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穏やかな流れを歩くことができて心地よい。落葉も多いがまだまだ紅葉は見ごろ。
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もうがけ沢(左)との二俣。
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この一段上がる感じの小滝の向こうには・・
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八丁洗坂というナメ。数十mと小規模であるが穏やかになった心がさらに穏やかになってっしまうよ。しかし沢床はぬるぬるなので、すり足歩行で気が抜けないが。
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ただ歩いているだけで心が満たされる。
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地形図で546mと書いてある二俣。右へ。
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すぐに小さなゴルジュ。岩が青っぽくて面白く浸食されていた。あとフリクションがすごくいい。ここを境に両岸が一気に狭まってくる。
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前ヶ岳南壁が遠望できる。
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V字スラブへの二俣を右へ。最初ぼんやりしていて気付かず左俣を少しだけ行ってしまった。行った先は左岸に黒っぽい垂直壁の小滝があるところだったので、おそらく「赤いスラブ」の入口だったようだ。おや?と思って引き返した。
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細い右俣はプチ巨岩帯となり急激に斜度を増す。巨岩、といってもそんなに大きくはないが、登りにはよっこらしょと力を使うので、運動不足気味の私は息がすぐに切れてしまい、少し登っては立ち止まり、少し登っては立ち止まり・・。f:id:Kakuremino:20191104212504j:image

プチ巨岩帯の終わりは「のど」のように細くなっていて、その向こうが広がっていてV字スラブがまた見える。
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右岸に崩壊地帯があり足早に通り過ぎる。
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この滝はぬるぬるそうでフリーではちょっと・・・なので、写真の右端に見える枝沢(?)から巻いた。・・・が、本流に戻ろうにも藪が濃く、藪が薄いところから伺っても岩が脆そうだったり、傾斜が急だったりで、なかなか戻れない。結局結構巻き上がってしまった。
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ようやく戻って、ようやく広大なスラブとご対面。真ん中やや右にあるのがV字。右から数えて第一から第四までスラブがある。このあたりは傾斜も緩くクライミング未満である。
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振り返った。
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V字の広場まで上がって休憩。クライミングシューズに履き替えた。第二スラブが一番簡単らしいので、それを登るつもりで来たが、眼前にV字を見上げると自然に第二スラブへ意識が向くのは、ちょろちょろながらも水流が感じられるからだろう。最初に登るのは本流がいいなぁと常々思っているので、第二スラブでよかった。
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出だしが傾斜が立ってて悪そうだなぁと思ったら錆び錆びの残置ボルトが。ここで自分に唖然。何も考えずにカラビナをかけてA0しようとしていた。何やってんだろ。最近ホントに終わっているなぁ。喝を入れて登り出した。もちろんA0なんて必要ないし、そうしないと登れないならこんなところには来ないほうがよい。慎重にルーファイして、濡れているところを避けて、足から足に重心移動して、粛々と登るだけ。全体でここが一番難しかったかな。コーナーを直上して、左壁に抜けた。
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また振り返った。高度感はあるけど、「うわぁ!眺めがいいなぁ」という感じ。
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V字の直下。右が第一スラブ、左が第二スラブ。
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第二スラブ入口では、濡れているところを踏まざるをえないところが何回かあり、その都度シューズを揉みまくって乾かした。スラブは探って手を伸ばせばだいたいガバがあるし、岩も硬くて裏切られないし、とても感じがよい。しかしあっという間に終わってしまいそうだ。意識してゆっくり登った。
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また振り返った。次に振り返るのは稜線に抜けたらだろう、と思った。
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稜線が近い。右抜け、左抜け、と2通りラインがとれそうだが、よりスラブが続いている左を選んで登って行った。
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右抜けは見てのとおり草付きを登って鞍部っぽくなっている藪にたどり着くようだ。
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左抜けはこのとおり、ルンゼっぽいのが左上している。が、これまでと打って変わって脆そうだ。事実ちょっと脆い。ルンゼ抜けはやめて硬そうなところを選んで直上し、最後は垂直の藪を掴んで稜線に抜けることにした。
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無事に稜線に抜けたが座るところもないくらい激藪。よさそうな枝にバランスで腰かけて沢靴に履き替えた。ゴミが落ちていたので拾った。
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右抜けだったらここに抜けたのであろう場所から下を振り返った。ここは紅葉がキレイで、こっちに抜けたほうがよかったかなぁ。
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登山道までは藪漕ぎ。落葉しているので下る分には余裕だが、適当に歩いているうちに稜線を左にずれてしまったようで、枝沢を軽く登って稜線に復帰を試みたりなど、ちょっと無駄に藪を漕いでしまった。
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えぇ?登山道まだ?という頃にやっと赤テープを発見。荷物をデポして山頂ピストンすることに。
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歩いてすぐに避難小屋があり、「本名御神楽岳まで0.5㎞」と書いてあったが、500mってこんなに長かったけ?!という感じでフラフラ登った。そろそろ?まだか?まだ遠いなぁ。途中で諦めたくなるなぁ・・。
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やっと本名御神楽岳の山頂に着いた。静かな晩秋の山頂ですこしのんびりしていると、心洗われる気がした。同じく単独の男性に記念写真を撮ってもらった。ここホントによいところでしたね。360度パノラマの景色。でも私は山座同定が苦手でどれがどの山か全然分からないので、自然は美しいなぁとか、そんな感じでぼんやり感動するのみなんですよ。
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帰りの登山道から南壁のスラブ群。行けるもんなら次は赤いスラブに行ってみたいが、どうだろ。
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登山道の紅葉もよかった。霧来沢沿いに下りてから、登山道が沢のすぐ隣をずっと並走しているのに驚いた。行きではすぐ入渓したので、登山道がこんなに近くだとは思ってもみなかった。同じような景色が続き、登山口までなんだか長~く感じた。
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さて、下山後のミッションである。アレのために下山を急いだ甲斐があった。ミッションとは喜多方までの1時間の運転である。アソコ、喜多方・・・。アレ、ラーメン・・・。そう、やっと食えるのだ・・・。このために毎年一回は福島の山行を入れたいと思っている。私はラーメンのなかで喜多方ラーメンが一番好きなのだ!沢とか壁とかより、はっきり言って今日は喜多方ラーメンが主目的なのである!

じゃーん!今年はネギチャーシュー。(年に何回も行ければ色々なラーメン屋を巡りたいが、せいぜい1回なので、毎回坂内食堂ばっか)f:id:Kakuremino:20191104172834j:image

 

御神楽岳登山口(7:50)~入渓(8:00)~V字スラブへの二俣(9:00~9:10)~V字広場(9:50~10:10)~稜線(11:00~11:10)~登山道(11:40)~本名御神楽岳(12:00~12:15)~登山口(13:30)

装備:ダブル30m、ハーケン×5、ハンマー(全部不使用)、クライミングシューズはあったほうがよいと思います。