隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

足柄・狩川左俣

 

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C550付近の印象的な三角岩

 

丹沢の南、足柄の山域で唯一沢歩きができそうなのが狩川です。親子で初めて金時山を登ったのがきっかけで足柄に興味を覚え、ピックアップしたこの冬枯れの里沢にさっそく出かけました。とはいえ、全域で林道が入り乱れ、地形的にこれといって特徴もないので、さして期待はしていませんでした。ちょっとした沢歩きができたらいいかな、程度で・・。

しかし、予想に反し狩川は"足柄渓谷"という名のとおり、思ったよりも水量も多く、巨岩帯の通過もあり、さらに1か所だけ滝登りもできる、短いながらも沢登り的なルートでした。沢床もいい感じにヌルヌルです。そして、冬型でなければ1月でもとても暖かかったです。冬でも沢に行きたいけど寒いのはイヤ、というわがままな人にはおすすめかもしれないですね。

 

☟参考図。緑線はGPSの軌道、数字は本文の写真との合い番号です。

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1 県道の足柄古道駐車場に停めて出発しました。

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足柄渓谷マス釣場を見下ろしました。入渓点とした川入橋までは1時間ほど歩きます。川入林道の途中にも釣りの人が使っていると見られる駐車スペースがありました。そちらを使ったらもう少し時短できるかもしれません。

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2 川入橋。ここから狩川へ入渓しました。

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最初はいかにも里沢と言った感の沢歩きですが、増水時の浸食が激しいのか両岸の土壌がえぐれている箇所がありました。思ったよりも大きな沢なのだと知りました。

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大堰堤。10分も歩くとものものしい大堰堤が出てきました。右岸から大きく巻きました。

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大堰堤からは沢床のそこかしこに大きな岩が転がっている光景になります。

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水面が反射して、苔もあいまって、とても綺麗です。

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4 2連続堰堤。明神林道の屈曲点で2連続堰堤になります。右岸が浸食でハングしていてなかなか圧巻。釣りで使っていると思われる左岸踏み跡を使って、2つとも巻きました。

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2連堰堤からすぐに二俣。左俣は伏流。本流の右俣はここから両岸が迫ってきて巨岩帯になりました。巨岩登りは人によっては大変かもしれません。このポイントはちょっと暗くなり、微妙に陰惨な雰囲気です。ゴミが目に付きますが見ないことにします。

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左岸に大きくそして真っ黒な涸棚がありました。

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その後、小滝をはさんで進むと両岸に岩が急に迫ってきて・・、

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5 8m2条滝。ちゃんとした滝があるとは思っていなかったので驚きました。一見とても登れそうには見えませんでしたが、右壁手前がボルダリングで7級くらい?で、ガバをつかんでエイヤーと乗り上げりました。

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8m滝からすぐ右岸が大崩壊しています。

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スタスタ歩ける大きなスラブ岩や、え?というバランスで乗っている礫岩みたいな大岩がありました。

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6 印象的な三角岩。これを過ぎると巨岩帯も終わりを迎えました。

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C571二俣へ向かいます。

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沢に埋まった大岩が苔でまだら模様のようになっていました。

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7 C571二俣。ここでようやく休憩。水量比は1対1。右俣、左俣、どちらに行ってもよさそうでしたが、下山に明神ヶ岳北尾根を歩きたかったのと、林道から離れたかったのと、二つの理由で左俣を選択しました。右俣を選べば林道で簡単に下山できるでしょう。

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C571から上流は、もともとこんな感じかなと思っていた、いかにも里沢といった沢歩きになりました。

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しかし、20分も歩くと水は伏流してなくなってしまいました。さらに10分ほど歩くと水は復活しましたがチョロチョロです。

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8 C700脱渓点。右岸に薄く青ペンキが塗られた木がありました。ここでまた水枯れしました。ちょうど地形図の点線が下りてくるであろう場所だったので、沢を離れることにしました。桧山林道へ最短と思われた右岸の尾根を拾いました。(地形図では桧山林道の線は途切れていますが実際はつながっています。)

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9 桧山林道に出ました。

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林道から。すすきの向こうの矢倉岳。富士山と並ぶ矢倉岳。

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10 明神ヶ岳北尾根の入口に15分ほどで到着しました。背丈を越える藪に通された見事な刈り払い道になっていました。北尾根はバリエーションの位置づけのようですが、実際は登山道のように整備されていました。

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C858小ピーク。ここが今日の区切りの最高峰かと思い、休憩タイムを過ごしました。

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登山道から小田原の町が遠望できました。

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11 太陽光パネルが立っているC825.0ピーク。C858よりもピークといった感じで、こちらで休憩すればよかったなぁと思いました。

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12 C760くらいから植生が杉植林になり暗くなりました。頻発していたピンクテープもなくなり、時折すこし歩きにくい箇所がありました。粛々と歩き送電の鉄塔を過ぎると北尾根出口の明神林道まですぐです。

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13 明神林道に下り立ちました。ここからは林道と山道で下りました。ショートカットと思って地形図の点線を拾いましたが、かなり荒れていてあまりおすすめしません。

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あとは茶畑ののどかな道を駐車場までぶらぶら歩いて戻りました。

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【DATA】

2022/1/4 足柄・狩川左俣

※タイムスケジュール 足柄古道駐車場(10:50)~川入橋:入渓点(11:40)~C571二俣(13:30-45)~C700付近:脱渓点(14:25)~桧山林道(14:40)~明神が岳北尾根:入口(15:00)~明神林道横断点(16:00)~起点戻り(16:40)

※装備:慣れていれば手ぶらでも(お助け紐か30mロープくらいはあったほうがよいかも)

※駐車適地:足柄古道駐車場(トイレ無)を使用。他には、狩川沿いの川入林道C330付近にも数台分スペースあり。

※詰め:左俣であればC700から両岸どちらも尾根(地形図の点線)が拾えます。右俣は行ってないので予想ですが、731号林道からの踏み跡があると思われます。

※下山:明神ヶ岳北尾根ルートは整備されています。また、C800m付近をトラバースしている桧山林道、下流の明神林道も使えます。(参考「箱根・湯河原登山詳細図」吉備人出版、2018)

※適期:釣りの人々とバッティングしないように個人的には冬がよいと思います。

※注意:狩川源流は飲用水源のためトイレの行為など配慮が必要と思います。

※ルート☟

 

 

なんとなくガイドブック調にしてみましたが、ご参考される場合は個々人の責任でお願いいたします。