隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

大雲取谷

10/20 奥多摩・日原川 大雲取谷

with Junさん

 

大雲取谷は以前に雨のとき、当時同じ会だったもっちと一緒に行ったことがあった。大雲取谷は雨の中でも歩けるらしいと聞いたから行ってみたのだ。この奥多摩のなかでは一番美しいという源流を、お互い初心者のもっちと、おっかなびっくりで歩いた。

歩きメインだから問題ないかなと考えていたが、思ったよりも長くて、雨も強くなってきたこともあり、小雲取谷から少し行ったところの深い釜をもった小滝で、引き返すことにした。

大ダワ林道に上がり、あとは登山道を歩くだけだと軽く考えていた。しかし、日原林道に下る大雲取谷・長沢谷の2俣付近のポイントを素通りしてしまい、2俣から今度は長沢谷の右岸を歩いていた。登山道はないはずであったが、無数に伸びている釣り師の踏み跡を拾って、無思考に「まだかなぁまだかなぁ」と歩いた。僕ももっちも無思考だった。

やがて沢の流れがおかしいことに気が付いた。下流に向かっているはずなのに、いつの間にか上流に向かっている!? 「あれま」となり、ようやく読図タイム。致命的なミスをおかしていることにやっと気づいた。もう現在地もよく分からなくなっていたが、とにかく引き返したのだった。

時刻も遅くなり、日没が迫っていて焦ったが、暗くなるころになんとか日原林道の末端に上がることができた。雨が上がってくれたのが幸いだった。その後、急いで携帯が通じるところまで移動して、とりあえず会に「問題なく下山」などと下山連絡をしたのだった。そして、もっちに「色々ごめん」と謝った。リーダーは自分だったので・・。

どこもかしこも踏み跡だらけの大雲取谷は、苦い思い出になった。

 

それで今回である。これまた同じ会だったJunさんと一緒に、今回は晴れた2度目の大雲取谷に行って、今回は大ダワ林道を間違えずに下山するぞ!と息巻いていた。一度ゴムシューズがコケで滑って豪快に転んだが、粛々と遡行した。詰めで一本枝沢に入ってしまったようだったが、まぁ問題なく遡行を終え、大ダワ林道へ。

大ダワ林道は・・、歩きやすい登山道であった。懸垂のポイントも問題ない。むろん日原林道へ下るポイントも見逃すはずはなかった。長い行程を終えて、今回も下山の日原林道は暗くなってしまったが。

前回はどうして間違えてしまったのだろう、と思った。雨の沢登りはあまりやったことがなくて緊張しただろうし、もっちをサポートしなきゃとか、時間がどうで・・とか、余裕がなかったのだろう。全体的にちゃんとできていなかったなぁ。前回の雨の大雲取谷を思い出し、初心にかえる気分で下山したのだった。