隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

東丹沢・原小屋沢

12/6 東丹沢・早戸川 原小屋沢~ボッチ沢~蛭ヶ岳~市原新道下山

with Junさん

 

沢納めの1本である。昨日まで雨が降っていたし、自分も風邪を引いていたが、今日しかJunさんと都合が合わなくて、ここ早戸川にやってきた。が、林道では冬期閉鎖らしく、かなり手前でゲートが締まっている。林道を粛々と歩き、伝道から山道に入った。里山といえどすっかり落葉し、寒々しい冬の様相である。しかし、入渓するころには柔らかく朝日も差してくれ、気持ちの良い冬の沢日和だった。気温は高くはないが、水温は雪渓の深い沢と比べれば常温くらいのものだ。

しばらくゴーロを歩くと雷滝に着いた。落差20m、幅広に水を落とすなかなか立派な滝であった。今日は鑑賞のみとし、右岸を巻きつつ、下山で使う予定の市原新道の踏み跡を確認しておいた。その後も、狭まってきたゴーロを、無駄になんとか水際をへつったり、無駄に巨岩を登ったりしながら進み、出てきたバケモノ滝を巻いた。ポカポカ陽気のなかではあるが、濡らしたのは足元と手先だけであった。

バケモノ滝を過ぎてすぐ、小さなゴルジュとなり、全部あわせると20m近くはありそうな多段の斜瀑になった。Junさんと顔を見合わせ、互いにニヤニヤした。OK、じゃ僕から。腰まで水に入って釜をハンドトラバースしてから、軽くハングした岩をへつって滝芯に取り付いた。斜瀑なので難しくはないが、それでもホールドに置いた手先から水流が体にバンバン当たり、びちょびちょになってしまった。わー寒い!Junさんも無駄に水流を横断したりして落ち口まで抜けてきた。そのあと出てきた15mくらいの斜瀑にも取り付いてみたが、これは難しくてちゃんとロープを出して支点をとらないと、怖くて登れそうになかった。

そんなことをしていたらガータゴヤ滝についた。堂々とした滝だったなぁ。基部はちょっとした広場のようになっていて、休憩した。そこでJunさんと話して、遡行図的には原小屋沢本流はこのあと詰めになるようだったので、それなら蛭ヶ岳の山頂にダイレクトに詰めていけそうな右岸のボッチ沢に入ろう、ということになった。

このころから自分に異変が・・。どうやら楽しくなってシャワークライミングしてしまったことから、一気に風邪をぶり返したらしい。若干もうろうとなりながら、千鳥足の歩みでJunさんに付いていった。ボッチ沢は一か所、土壌が崩れて2m弱の段差が出来ているところがあり、そこだけちょっと頑張って登った。それから灌木が散在する草地に出て、わずかな登りで蛭ヶ岳に到着した。ガスを焚いて温かいものを体に入れると、少しだけ休まったが、すでに鼻もズルズル状態だった。そんな状態でも、柔らかな日差しを浴びて金色に輝いている冬枯れの里山で、気持ちのよい時間がすごせた。

下山は市原新道から雷滝まであっと言う間。そこから沢をはさんで山道を戻り、夕焼けのなか林道をゲートまで戻った。沢納めとしては申し分のない、よい山行だった。今年は沢始めも沢納めも、Junさんと丹沢だった。

 

 

広く明るいゴーロから始まる早戸川の遡行。

 

雷滝。夏だったら登ってるだろうなぁ。

 

無駄にがんばって水際をへつる、の図

 

バケモノ滝。簡単に巻ける。

 

がんばって登った多段の斜瀑。左岸からへつって滝にとりついて、水流を抜けた。

 

ちょいハングの岩をがんばってトラバースして・・

 

シャワークライミングにJunさんも歓喜の雄たけびを上げる!

 

その上段はこのとおり、バカ丸出しでシャワーに突撃してみた!

 

 

この15mくらいの斜瀑は中段であきらめてクライムダウンした。

 

ガータゴヤ滝。庭園のような空間だったなぁ。

 

ボッチ沢に入ったとこ。

 

ボッチ沢核心は、このちょっとしたくぼみ。結構がんばって乗り上がった。

 

沢がなくなりすぐ登山道に合流した。

 

蛭ヶ岳山頂。なんだかとても気持ちよい。風邪でグダグダだったが・・。

 

冬枯れした里山の自然には、ノスタルジックな魅力がある。心が落ち着く。

 

帰りの林道を粛々と歩いた。