隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

奥秩父 入川・股ノ沢

4/30~5/1 奥秩父 入川・股ノ沢 単独

①入川渓谷キャンプ場~赤沢吊り橋から入川本流入渓~真ノ沢・股ノ沢出合~適地泊

②BP~登山道~栃本分岐~股ノ沢・赤沢谷中間尾根~1845m~赤沢谷下降~赤沢吊り橋~入川渓谷キャンプ場

 

忘備として残そうかと思うのは2つだけ。

一つは、源頭の美しい苔むしたコメツガやシラビソの原生林とはいっても、時期が早すぎてまだ枯れた源頭だったこと。やはり新緑の時期に来ればよかったなぁ。でもこれは分かっていたことである。

もう一つは、下山に選んだ股ノ沢・赤沢谷中間尾根で読図に完全失敗し、現在地がまるで分からなくなってしまい、赤沢谷の沢下降にエスケープしたことである。これは本当に失敗だった。何故か真逆の白泰山の方面を見て歩いていたし、昔の踏み跡を拾いきれずに尾根通しで行こうとして出来なかったのだった。

股ノ沢での一泊をまったりと過ごして、まだ冬枯れの色が濃い源流を粛々と歩いて登山道に出て、やや時間に追われそうになりながら、股ノ沢・赤沢谷中間尾根に乗ったのだった。最初はごくごく歩きやすい尾根で、股ノ沢側の斜面に昔の踏み跡も見つけつつ歩いた。やがて尾根通しではシャクナゲの藪漕ぎが激しくなり、それでもなんとか進んでいくと岩稜になった。岩登りとシャクナゲ登りと半々といった感じで、1845mピークとみられた岩場についた。ここは見晴らしがよく、爽快な場所だった。

しかしそのピークからの下降はほとんど垂直の岩場の降下となり、大変だった。さらにシャクナゲをかき分け、かき分け、ときどき腐葉土化し軟弱になった地面を踏み抜いて滑落し、シャクナゲでなんとか体を止めたりしながら、遅々とした歩みだった。また尾根上はまた岩稜となり、尾根通しで進むのは厳しくなった。それで赤沢谷側の斜面を巻いて、枝尾根を何本か藪と格闘しながら巻いて・・・と、現在地がよく分からなくなってしまったのだった。

時間に余裕もあまり無くて、登り返しは出来れば避けたい。しばし逡巡したが、結局一番確実な赤沢谷への下降を決め、どんどん下りて行った。コンパスを見る限り、結構上流側で下降しているようだった。やがて赤沢谷に出合い、粛々と沢を下りながらも現在地はよく分からず、結局1140m付近の大きな崩壊地で、やっと確認できたのだった。そこから間もなく右岸にある昔の森林軌道に乗り、あとは安心して下山できたのだった。

股ノ沢・赤沢谷中間尾根がもしダメだったら、歩きの沢だという赤沢谷を下降すればよい、という代替案が最初からあったのでよかったが、やっぱり読図しながら藪尾根を歩く計画を完遂したかった。それが出来なかったのは、要は実力不足だったってこった。全然ダメだ。話にならない。いつかまたこの中間尾根を歩きに行きたいなぁ。そして、これを期に自分もGPSを一応持つようにしよう、と思った。そんな山行だった。

 

美しい入川本流の流れ。

真ノ沢・股ノ沢二俣。吊り橋もかかっている。

股ノ沢のゴルジュ。

一人過ごす夜の贅沢。

わずかに新芽が・・。

新緑のころ来たらさぞかし感動の詰めになっただろう・・。