去年、小櫃川左岸の支流をつないで12㎞ほど沢歩きし、その後トレイルや杣道を20㎞ほど走り歩く、というロングハイキングを思いつき実行したら、と~っても楽しかった。それでまた同じようなプランを考えてみたのだけど・・。
石射太郎山登山口を起点に、高宕沢から群界尾根を経て志組川を下降、林道と枝沢で高宕川に抜けて遡行し、高宕山、あとはトレイルを下山。これで約20kmとほどよい距離感のプランだった。
が、花粉症があまりにひどく、鼻ずるずるでハクションの連発。さらに藪と倒木で荒れた沢床は居心地がわるく、だんだんと沢歩きにポジティブになれなくなっていった。それで志組川と高宕川をやめて、高宕沢から高宕山だけで下山することにした。高宕「川」のほうがメインだったけど、やる気をなくしたらこんなもんだ。
高宕沢と高宕川と似ているけど、どうしてこのようなネーミングになったのだろう。なにか郷土史などで説明されているのかもしれないけど、ここに来るにあたって地形図しか見てない自分には何も分からない。
石射太郎山登山口から出発。
林道を少し歩いて印象的な川廻しのトンネルのところから入渓。ここは地形図の青線と実際の水流が異なっていた。
入渓してから高宕大滝までは沢をトボトボと歩いた。ときおり房総の沢らしい光景もみられるが、林道がすぐ隣を並走しているし、全体に荒廃している印象。林道も数か所崩落や倒木で塞がれていた。粘土質の沢床は意外にフリクションが悪くない。水際の砂地になっているところは例外なく様々な里山の動物の足跡でいっぱいになっていた。しかし猿の足跡は見なかったような。
高宕大滝。黒々しており、20mくらいか。水流のない真ん中に走る微妙なクラック沿いを死ぬ気で登り切った。・・というのはウソで右岸の林道にいったん上がって巻いた。落ち口で林道が横切っていた。ここからは沢が細くなり、藪も近くなった。
これは右端にステップが切ってあった。
ところで、この辺で沢床は何とも言えない感じになった。ずーっと里山の動物の跡に満ちていたが、ちょっと動物園的な臭いも立ち込めており、足を水に入れていたくない感じ。適当に林道に上がったり、沢に戻ったり、で進むことにした。
砂地は例外なく里山の動物たちの足跡でいっぱいになっていた。臭いも。
苔が生えてた。
行者の滝。滝上は黒いナメになっていた。
用水滝。水流は人工水路で取水されてた。なるほど用水滝。
ちょいちょい倒木と藪で沢が埋まる。
天狗滝。特異な造形をしていた。人工的に丸く角度を付けたようななめらかさ。そして黒い。さらに落ち口は不思議な形のポットフォールだった。こんな不思議な滝は初めてみたな。
桃谷の滝。まぁ小滝だな。
このポットフォールを境に、沢床は本格的に倒木、藪、岩に塞がれているポイントが多くなり、土の斜面につけられていた杣道や獣道を使ったりして何度も巻くことになった。
岩に塞がれたとこ。
藪やぶで沢を歩く気がせず、杣道を拾っているとこ。
歩けるところは、藪と苔の岩と、ちょっと水溜まり程度。
本格的に倒木に埋まり、ギョッとしつつも斜面で巻き進んだとこ。
頭上まで倒木で埋まり、こりゃダメだとなったとこ。
195mの最後の二俣を右に進つもりだったが、倒木の処理をしているうちに左に進んでしまっていた。二俣の中間尾根に逃げることにした。
はじめは獣道を拾って、軽く藪をこぎながら登った。
中間尾根の主稜線はしっかりとした踏み跡になっていた。沢に付けられていた杣道はこれを拾って群界尾根に抜けていたのだろう。
中間尾根の頭、290m。
あとは適当に歩いて登山道に出た。群界尾根分岐でやっと大休止。そして花粉症その他の理由でやる気を失くし、完全下山モードの自分をはっきり自覚。パンを食べて下山することにした。
高宕山の山頂。360度パノラマで房総丘陵が見渡せる。
パノラマ写真。
高宕観音。砂岩の壁は地元神奈川の鷹取山そのもの。
下記のような熟達者コース(?)を見つけ、両方行ってみた。
天空の岩。砂岩の大岩にくりぬかれた階段の岩を見下ろすところ。
北のテラス。
観音へ登る石段。
石射太郎山と高宕山の猿のいわれ。
石射太郎山へは危険通行止めになっているようだ。せっかくなので人目を忍んで踏み跡をたどって山頂には行った。
石射太郎山。あとは藪と粘土質でやたら滑る斜面を使って、尾根から登山道まで適当に下った。登山道に合流したと思ったら、30秒で駐車場だった。
冬に体力トレーニングを兼ねて1本くらいは房総のロングハイキングを入れたいなと思っていて、今回はその2回目だった。でも花粉が飛び始めたらもうダメだ。アウトドアにポジティブになれない!つらい。だからもし来年くるとしたら2月初旬までくることにしよう。房総ロングハイキングに関しては、あと3案ある。
高宕沢は・・・、こんなに動物園みたいな臭いがする沢は初めてだったのと、天狗滝の特異な造形と、2点が印象的だったかな。まぁ高宕川のほうは行く機会がないかもしれないが、高宕沢で満足ということで、よしとしましょう。
石射太郎登山口・起点(8:05)~入渓(8:15)~高宕大滝(8:55)~天狗滝(9:25)~群界尾根分岐(10:25-45)~高宕山(11:10)~高宕観音(11:30-55)~石射太郎山(12:40)~起点戻り(12:55)
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