折角なので五郎山について忘備的にまとめてみました。
五郎山は長野県川上村にある2132mの独立峰です。また西側にマキヨセという岩峰群を持っており、どちらも南面全体が数十~百m超の岩壁になっています。
登山道とピーク
下図は南面の概念図です。左の2つの山容が「マキヨセ岩峰群」、右の山容が「五郎山」です。これらをして五郎山と総称します。
登山道はマキヨセ岩峰群の西端(左)の稜線へと一直線に上がり、東(右)へ岩稜縦走して進みます。五郎山は南面岩壁の中腹部がバンドになっていて、登山道はバンドを横断してから回り込む形で五郎山のピークに登り詰めていきます。
「マキヨセの頭」には柱石がありますが正確にはピークではなく展望ポイントです。登山道は実際の地形的なピークを北側に巻いて進み、「P1」と呼ばれる小ピークに至ります。実際のピークを便宜的に「マキヨセピーク」とします。マキヨセピークは登山道から数十秒の藪漕ぎで達することができます。
一つ目のコルを挟んで軽く登ると、登山道は岩稜をまた北側に巻きます。そのためP2は通りません。「P2」はマキヨセ岩峰群のなかで最も印象的な形状のピークで、ここに達するには、岩稜を稜線通しで進むか、登山道の適当な箇所から稜線に上がる必要があります。登山道が再びコルに下り出すP2の肩が展望ポイントになっていて、五郎山の南面が一望できます。
2つ目のコルから登山道は五郎山のバンドを横断します。このバンドで上部岩壁、下部岩壁と分けることができます。横断後回り込む形でピークに達します。西側のテラスは数分の歩きと若干の藪漕ぎで達することができます。
なお上記の登山道以外の道のりはおろか、登山道もまた相応の注意が必要です。
ルート???
A沼さんに連れてきてもらってから五郎山に興味を覚えたので、再訪して岩壁基部を隈なくトラバースして偵察しました。上からそして下から色々見たところ楽しく登れそうなラインをいくつか見出しました。下記のほかにもありますが、機会があれば細々と静かに登れればよいと思っています。
ただし岩は思ったよりも硬いものの、どこも岩茸、苔、砂、木屑等にまみれており、また節理が多くないため、快適なマルチピッチクライミングを求めて訪れる岩場ではありません。ジャパニーズアルパイン的かつ沢登り的な感じです。私はまだ行ったことがないのですが、男山や天狗山とはまったく異なるそうです。
①五郎山ダイレクト A沼さんが見出した五郎山の初登攀ルートです。傾斜の強い3p80mのラインでした。(写真:登山道P2の肩から)
②五郎山下部スラブ 岩茸、苔、砂が積もりまくった45mのスラブです。(写真:取り付きから)
③P2ルート 印象的なP2に下からつなげて登れればとても楽しそうな予感。(写真:上は登山道バンドから、下はP2ピークから)
④マキヨセピークルート マキヨセ岩峰群で一番長そうなラインがとれそう。(写真:上は登山道から、下は岩壁基部から)
五郎山南面岩壁(写真上から:全景、登山道バンドから右壁、同中央壁、P2から上下岩壁)
マキヨセ岩峰群(写真上から:マキヨセピークから見下ろす、 P1に至ると思われる岩壁、P2のラインをコル付近の岩壁基部から)
☟GPS(登山道~落石ルンゼ~マキヨセ岩壁基部をトラバース~五郎山下部スラブ~バンド登山道~五郎山ピーク~テラス~登山道を下山)