3歳の息子と一泊の小さな旅にでかけました。まず上高地に行き岳沢湿原と小梨平を散策し、新穂高に移動して深山荘に泊まりました。二人で泊まり旅に出かけるのは初めてでした。上高地の自然で遊び、深山荘の川沿いの大きな露天風呂に入って・・、息子とのデートはそれはそれは楽しいひと時でした。
翌日、奥飛騨の沢上谷(ソーレ谷)というお宿から車で30分ほどの沢へ出かけるのがメインな目的なのでした。 林道を終了点へ向けて走りながらあたりを観察し、下からの遡行はやはりやめて上からナメ床だけを往復する最もイージーなプランに決め入渓。ナメは想像していた以上にそれは美しいものでした。
息子ははじめこそ恐怖心を見せていましたが程なくして慣れたようで、ベビキャリから下ろして手つなぎでジャブジャブ歩きました。「一人で歩いていいよ」と言って先に歩かせると、ほんの3mほど進んで振り返り「手!」と父を呼ぶのでした。少しだけ斜度が増したところで葉っぱを船に見立てて水流に乗せ、「バイバイ!」と楽しそうに笑い「あの船はどこへいくの?」と聞きました。「きっと海までいくんじゃない」
みてごらん。この川はお山のてっぺんのほうから生まれるんだよ。最初はちょっとだけのお水だけど、いろいろなところで生まれたお水が合わさって、少しずつ大きくなって、ほらこの川になったね。この川は車で走っていたとき見た大きな川に合わさって、また大きくなるんだよ。そしてまたたくさん合わさって、大きくなって、ずーっと流れていって、やがて海にいくんだよ。
じゃああの船は海にいく?
そうだね、きっと海までいくと思うよ!
この手のくだりをまた息子に話しながら、何でもない自然の普遍的な理にいまだに感動し続けている自分を自覚します。そういった心の動きをもう少し上手に息子に伝えたいと思っていますが、なかなか難しいものです。彼にも何か心の動きを生んでいるでしょうか。ただ彼が「海までいく」と思えることが、この上なく希望に満ちた未来のように感じるのです。
後日談。ところで、ソーレ谷があまりにキレイで楽しかったので、さっそく翌週に嫁と娘も連れて家族4人で再訪してしまいました・・笑。