あ~いつか行きたいなぁと思っていた鳥海山。シルバーウィークは穂高の予定が地震でダメになり、とりあえず東北に行こうと思って準備してみたが、行先が決まらない。あそこもここも、と候補が沢山すぎて絞れなくなってしまったのだ。妻が、だったら前から行きたいって言ってた鳥海山行って来れば、と何気なく言ってくれた一言で、お、鳥海山いいじゃん、行こう、と決まったのだった。
(6:20)一ノ滝駐車場に停めて歩き出す。駐車場には3台だけで、このルートのマイナーさが窺い知れる。
(7:06)登山道から檜ノ沢を見やる。ここから入渓したいところだが、メインの目的は鳥海山まで歩くことなので、とにかく長丁場。そのためにC906付近までは登山道を辿るプラン。なにしろ20㎞以上歩かないといけないからね。スタスタ行きましょう。
檜ノ沢のゴルジュらしき光景。遠目にもなかなかよい雰囲気を漂わせていた。
(7:50)沢沿いから登山道は尾根道になり、はるか彼方に稜線が見えた。あれは御苗代とかその辺だろか。遠いなー。
(8:01)C906を少し過ぎ、左側の斜度がゆるむあたりから、藪を伝って沢に下降した。
下りてきた尾根道を見上げた。
(8:07)沢はどこまでもゴーロ帯で、転石の重なり具合で小さな滝がちょこちょこと水を落としている。ときに巨岩帯といってよいくらい岩がでかくなる。よっこらしょムーブの連続でお疲れモードになってしまうね。でもこんなに感じのよいゴーロ歩きはなかなかない。とてつもなく楽しい。
(8:38)V字の谷間はなかなか朝日が届かず日陰だったが、C1100あたりのこの辺で沢床まで明るくなった。沢はすでに源頭の様相である。
(8:51)C1170あたりで苔が多くなってきた。ときどき滑る岩がある。
(8:55)沢が直角コーナーで右に曲がっている。このようなとき曲がった先は滝場になっていることが多く、ここもそうだろうね、などと思いながら歩く。
現れた2段滝は左岸から歩いて通過。
滝の途中でこんな流水溝が走っていた。降雨時に左岸斜面からの水流をこの流水溝が受け止めて流しているらしい。これは足を置くとかなり滑る。
(9:02)小滝をいくつか通過する。
(9:14)さらに源頭って感じになる。牧歌的な流れだ。ここだけやけに赤くて、すぐ上に短いナメがあった。
(9:17)三条の小滝。
(9:22)C1300あたりで休憩。今日はストックを忘れてしまったが、いい感じの相棒を拾うことができて、ここまですこぶる快適歩行だ。(この相棒は山頂まで一緒に行った・・・が、軍手に枝の杖で歩く私は登山者から奇異の目で見られた。。別にいいけど。)
(9:45)笙ヶ岳の稜線らしきのが遠望できるようになる。
(10:16)C1400~1500くらいでは水流という水流はほぼなくなり、水溜まりが点在する沢床となる。そしてここからいよいよ沢は細くなっていく。
(10:23)C1550で二俣、というか右岸に支流を分ける。なんと本流よりも、右岸斜面に消えていく支流のほうが水量が多い。なんでだろう・・。そうか、鳥海湖から流れてきているんだ、と得心がいった。私はもちろん真っすぐ進む。
(10:25)と、そういえば鍋森ってどこにあるんだろう、と右を見上げるとまぁるい鍋森が目の前にあった。ずっと左岸側に見えていたのか。ぜんぜん気にしてなかったな。
(10:28)鍋森と鳥海湖の稜線との鞍部を歩いていくと、嶺を越え、今度は下りに変わる。
(10:36)あれが、地形図にある小さな池塘かな。ああ、なんていう光景なのだろう。さっきから感動しっぱなしで、どんな言葉で形容してもこの光景を言い表すことができない。ただただ感動してる。心が満たされる。こんなところに来てみたかった。
振り返れば、さきほどとは違った形に見える鍋森。
さらに下っていくと、
(10:45)登山道についに出てしまった。さて、ここからはもう一度気持ちを入れ替えて鳥海山まで楽しいロングハイキングである。
(10:55)鳥海湖に寄る。そしたらやっぱり一周したくなってしまうわけ。もう時間はいいや!湖のほとりまで下りてブラブラ歩く。
(11:20)地形図では湖をぐるっと回って御浜小屋の先に上がっている道があると記載されていて、それを拾ったつもりだったが・・、稜線登山道には通せんぼのロープが張ってあった。どうやら廃道だったらしい。普通の登山だったら、地形図ではなく昭文社マップを見ないとダメですね。
振り返ると、鳥海湖ごしに鍋森。ほんとにまぁるい。
(11:36)鳥海山はまだ彼方だ。
(11:56)このあたりから外輪山コースの縦走路。
いっとき霧に煙る。あれま!やめてくれー、今日は快晴でしょ!
(13:05)ヘロヘロで登ってきた。文殊岳・伏拝岳・行者岳と三つのピークを通り過ぎて、来し方を振り返る。
もう山頂は目と鼻の先だ。
(13:15)七高山に先に行く。一応行ったけど、人が多いため、山頂滞在時間は15秒。
七高山から新山。
(13:36)戻って、稜線登山道から谷間に下りて登り返す。地味に足に来る・・。見上げるとやっとメインの新山山頂。裏から回り込んで登るらしいが、もう面倒になってしまって右面の壁をダイレクトに登って山頂に出てしまった。親切な方に写真を撮ってもらった。当たり前だけど、ここも人が多い。登頂の感慨にふけることもなく、さっさと山頂を後にする。
(13:55)御室小屋まで下りて昼食タイム。最近凝っているトロたく巻きを食べた。いま鳥海山にいるよ、と父にLINEを入れたら速攻で電話がかかってきて20分くらい昔話に花を咲かせてしまった。
(14:23)下山を開始する。14時半前。この時間が早いのか遅いのか、もうよく分からない。なんとなく陽があるうちに下山できるんじゃないか、という気がしているのだが、どうか。
(15:13)御田ヶ原分岐の手前から下っていくべき方面を見やる。
(15:47)T字分岐の手前の千畳ヶ原。
(16:03)美しい草原。紅葉が深まれば金色の野になるんだろうな。ああ、それも見たかったなぁ。
(16:33)千畳ヶ原が終わると登山道は密な藪のなかにトンネルのように通されている。粛々と歩くと月山沢渡渉点。
南ノコマイの不動滝の滝見があった。とてつもない水量が噴き出している。遠くから見ていても、ちょっと怖いくらい。
藪の道が続く。
(17:11)これもとてつもない水量の龍ヶ滝を過ぎると、あたりはもう夕暮れ。いかんいかん、あと少しで真っ暗になってしまうぞ。にわかに気が急いて、早歩きから小走りまで入れて急ぐ。
(17:50)仙龍滝、ガクエの潭、玉粋滝は滝見を確認したが、他にも滝があったと思う。完全に暗くなってきた頃、ようやく狭霧橋を渡った。橋から上流を撮ったが、もう沢は暗闇に覆われていた。最終的にヘッデン歩行となり、18時すぎにやっと車に辿り着いた。できれば一ノ滝とか二ノ滝とか沢沿いの滝見もしながら下山したかったが、さすがに時間が足りなかった。あ~、疲れた~。
一ノ滝駐車場(6:20)~C906付近から下降して入渓(8:00)~登山道(10:45)~鳥海湖から縦走路を経て七高山(13:15)~新山(13:40)~御室で休憩(13:55-14:25)~千蛇谷からT字分岐(15:50)~一ノ滝駐車場戻り(18:05)
ルート☟