札掛森の家駐車場には、宮ケ瀬湖経由の林道が閉鎖されているので、ヤビツ峠経由で行く必要がある。なのに何故か宮ケ瀬湖に着いてしまい、来た道を全部戻る羽目に。朝から大失敗だ。とてつもなくタイムロスして駐車場に到着した。
10時過ぎにやっと出発し林道を歩く。境沢・ヤゲン沢二俣でお仕度。焦って準備していたらしく、なんとヘルメットもロープも忘れていることに気づいた。入渓すると積雪の沢歩きになった。ポカポカ陽気なので普通の登山なら半袖になるくらいだろう。沢でも足先が若干冷たい程度だ。ドライパンツ+5mmネオプレンソックスの恩恵はなかなか大きい。
ヤゲン沢は北面にあり丹沢といえど今年はなかなかの積雪量だ。無雪期と比べて3倍くらい時間をかけた遡行になった。いくつか中途半端に凍った小滝を登ったり巻いたりした。登攀はむろんアックス・クランポンのそれではなく、チェーンスパイク沢靴・テムレスミニバイルの沢登り的立体的なそれになる。1時間半ほどでC880二俣に着いた。
遡行図は二俣から右俣を選択しているが、目的は左俣なのだ。
何故左俣なのかというと、こんなところにこんなゴルジュがあるなんて!という印象的なゴルジュがあるらしく、それをいつか見に行きたいと思っていたからである。雪に埋もれた沢を20分かそこら進むと、すぐにそのゴルジュに着いた。
ゴルジュは奥行10~15m程度のごく小規模なものだが、CSが挟まっており、奥の最狭部は幅1mくらいだ。抜け口の側面はつらら状に凍っていた。キレイだが登るには邪魔だ。ミニバイルで叩くとガラスのように簡単に砕け散った。凹角登りでずりずりして抜けた。
ゴルジュを抜けるとあとは詰めのみである。沢筋は雪に埋まりラッセルになる。ワカンなど持ってきておらず、ヘロヘロになってときどき股まで踏み抜き、丹沢でこんなに雪が、と驚いた。忠実に沢筋を登高し、鳥尾山荘直下の登山道に抜けた。
鳥尾山には立ち寄らず、そのまま反対の三ノ塔方面へ歩いた。三ノ塔地蔵の分岐点から蓬尾根の雪面をズボズボと歩き下山した。
駐車場(10:20)~境沢・ヤゲン沢二俣(11:00)~C880二俣(12:40-13:00)~C970左俣ゴルジュ(13:20)~稜線登山道(14:25)~三ノ塔地蔵(14:50)~起点戻り(16:25)
装備:チェーンスパイク、ミニバイル
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