お互い色々あって今年は一緒に山に入れていなかったJunさんと、1年以上ぶりに再会して、軽い沢ハイキングに出かけた。
土山峠からの湖岸道をひっそりと歩き、山越えしてハタチガ沢の出合いのほうに下りた。これは"廃キング"の人たちご用達(?)のルートらしく、いろいろ記録が見られる。湖岸に村道を通そうとしたが未開通に終わり、結果として辿り着けない橋が残された、とか。そんな所を巡る廃キングは趣味ではないが、どんな楽しみでそれをやっているのか、Junさんと二人でなんとなく想像しながら歩いた。
それにしても冬枯れした里山は木々の葉っぱが落ち切って明るい。落ち葉で滑るのが少々やっかいだが、ほかに人もおらず、ただただ静かに歩けるのが実に幸せ。
ハタチガ沢に架かる橋から下降して入渓した。ちょうどよくバックウォーターがそこで終わっている。
橋を振り返る。
出合いからしばらく見所もなく粛々と歩いた。両岸どちらかに割としっかりした踏み跡が付けられていたので大体それを拾った。
30分ほど歩きC355mくらいで小さな2条の滝。ここらへんから"沢"な感じになってきた。
C410mで大きな滝をもった左岸支流のアカチガ沢出合いを過ぎ、右岸が前傾した小さなゴルジュに入った。
ライトグリーンの岩。
そのゴルジュを越えたあたりで今日唯一光がキレイな所があった。この沢、思えば北向きの沢なので日当たりが悪く、光がキレイな撮影スポットが全然なかったのがちょっぴり残念だったかな。
C430mのオオユナラノ沢との二俣。右俣へ進むと、
また小さなゴルジュ。奥の小滝は登れそうになく、左岸から意外なほどの大高巻きとなった。こちとら静かな沢歩きをするつもりで来ていて、ハーネスはおろかヘルメットすら被ってなかったので、えーと思って、落ち葉でズルズルする急斜面を頑張って登って巻くこととなった。そう、ここで遡行図を持ってきていないことに気づいた。それどころか家で確認もしていなかった。若干反省。
そして、上の滝を巻いてやっと沢床に降りるまであとちょっと・・の所で、急に頭のてっぺんに激痛が走った!なんだこりゃ、いってーーーー!!と思って、手を頭にやったら何か虫っぽいのがいて、このやろーとむしり取ったら、1.5センチあまりの白黒の蜂だった。なんと地蜂の巣を踏みつけてしまったようで、怒った蜂に頭を刺されたようだ!くそいてーなと思いながら、後続のJunさんに気を付けてくれーと声をかけた。Junさんも、蜂がすげー出てるとか言いながら降りてきた。
沢に戻ると小ゴルジュがまだ続くようだ。頭がすげーズキズキするがここに留まっても仕方ないのでさっさと進む。
逆光だがこの10mくらいの小滝を越えると落ち着ける場所があったので、休憩。ポイズンリムーバーで吸引を試みたものの、頭なので髪が邪魔で全然無理。とりあえずステロイドを刺し口に盛った。ズキズキ痛むがショック症状もないので大丈夫だろ。水を飲んで落ち着き、とはいえ念のためC817mの鍋嵐まで詰め上げるのは止めて、C719mピークにショートカットすることにした。Junさん、ごめんね~とお伝えしといた。くそ、今日は帽子を持ってくるのを忘れたんだよね。いや、そうじゃなくてヘルメット被れって?たしかにその通りですね。
C500mくらいの5*10m滝。こちらは左岸から巻いた。
そのあと一瞬源頭みたいな感じになったがすぐまた小滝。これを登ったら、
10mくらいの滝。こちらは右岸から巻いた。ちょっと崩れている所があって、かなり慎重に登ったり降りたりした。落ち葉も滑るし頭もズキズキするしな。
C560m二俣。いやーちょっと休憩しよう。右が本流だが、左を選択。ショートカットしてC719mピークに向かった。
すぐに水がなくなり、小さな涸れ棚を2つ3つ登った。岩は苔が張り付いてるが、足を置く所はポイントポイントできれいになっているので、それなりに登る人がいるのかな。
最後は私とJunさんのモットーである"頑なに沢通し"を貫き、薄くなった沢型を無駄に忠実に登った。落ち葉、ゆるい土壌、ボロい露岩、苔、朽ちた木。ズルズルな急斜面を滑落しそうになりながら、ヒイヒイ登るという、この無駄な努力が嫌いなじゃない我々・・笑。
これがC719mピーク。棒に"鍋嵐"と誰かが書いたようだが間違いだろう。もはや下山もショートカットしましょう・・、当初は辺室山を縦走登山して下山と思っていたけど、隣のC745m熊ノ爪からの北尾根(宮ヶ瀬尾根というようだ)を適当に拾って堤川林道末端に降りることにした。
その尾根は作業経路になっているようでなんでもない快適歩行。落葉した木々の向こうに宮ヶ瀬湖が遠望できた。
ほんっとうに気持ちのよい、冬枯れのお散歩・・・。
あっと言う間に堤川林道末端に着いて、あとは道をダラダラ歩いて車に戻った。
ところで、今回は「三本立て」の企画で、"廃ハング"と"ハタチガ沢"、そしてもう一つはこの"清川村ふれあいセンター"なんです。ここのお風呂「別所の湯」は温泉ではなくて、「丹沢の源流を水源とする清川ならではの水」を使用しています。つまり、沢水を沸かしてお風呂に・・、沢登り愛好家としては何だか魅力的じゃないですか?沢で冷たい沢水を浴びた後(今日は浴びてはないけど)、風呂で熱い沢水を浴びる・・・。うーむ異質な歓び。
そして、センター内のレストランである「山ぼうし」。数年前にたまたま食べたのですが、ここのご飯がとってもおいしくて、また来たかったのです。こちらは「旬菜膳」です。メインは地産ポークの味噌焼、キノコの炊き込みご飯もおいしかったなぁ。
メニューはこちら笑。メニューを見たら、何故か牡蠣の料理が多い。もしまた来ることがあったら、山のレストランなのに牡蠣押しなのはどうしてですか、と聞いてみようかな・・笑!また行きたいなぁ~。
駐車スペース(8:50)~ハタチガ沢出合(10:55)~C430m二俣(12:05)~C560m二俣(13:15)~C719mピーク(14:00)~堤川林道末端(14:55)~起点戻り(15:40)
装備:とくになし
ルート☟