3/4~5 奥秩父 大洞川支流・和名倉沢
初日
雲取林道のヘアピンのスペースに駐車。林道脇から吊橋へと続く踏み跡を下りて行った。途中で踏み跡がが崩れていたので、吊橋は使わず沢に下り渡渉した。
大洞川上流側から、写真左の和名倉沢出合を見やった。出合、細いわ。
せっかくなので出合から・・、と思ったが早々に巻きが必要な滝になっていたので断念。戻って、吊橋からつづく踏み跡に合流した。
そのまま踏み跡を辿り鉄パイプの橋から入渓した。
早春の和名倉沢。下流は冬枯れ感の強い様相。秩父らしく、雪は少なく、代わりに冷え込んでる感じ。
C660mで石津窪が左岸に出合う。
弁天滝。左岸巻き。
左岸高巻き。
右岸に氷谷出合。小滝がつづく。どんどん巻く。
左岸巻き。
左岸に残置ロープがあったので使った。
写真を見たら大き目なナメ滝だけど、記憶にないので何でもなかったのだろう・・。
小滝が終わると右岸の崩壊。
もう一か所右岸の崩壊。そして・・、
出発して3時間ちょいで「連瀑帯」の入り口。ナメ滝の両岸に張り付いた氷が逆光に反射して光ってた。氷に挟まれた水流は驚くほど細い。ようやく休憩タイムにしましょう。
近づいて別角度から。どう見ても簡単に行けそうだ。以前来た時は新緑の季、雨後で大水量でとても進入できるようには見えなかった。入口の滝を越えた後、どんな連瀑になっているのか分からないので僅かながら不安を覚えたが、落ち口あたりから右岸を登って巻き道に合流できそうに見えた。それならいいでしょう。行ってみましょう。
チェーンスパイクって結構スメアリング的な足置きができるんですよ、と言った感じで左岸から右岸に渡り、
右岸の微妙な氷と岩を足場に使ってへつり登った。
意外にそんなに悪くない。クランポンだと氷を壊してしまうかもしれないので、チェーンスパイクがよい(と個人的には思ってるが、どうか)。
入口の滝を越え奥を見やった。あ? 全然穏やかだぞ?
普通のナメを歩いて進む。水量が多いと大変なのかもしれない。滑るだろうし。
すぐ終わりの小滝。右上方に和名倉沢大滝が見えた。
終わりの小滝は右岸のもこもこした緩い氷を壊さないようにそっと登った。
和名倉沢大滝。2月上旬とかに来ればもっと立派だったのだろう。短い撮影タイムを過ごして、先を急ぐことにした。
左岸の巻き道は明瞭でピンクテープすら整備されていた。ルンゼを登って右の尾根に乗り換える→トラバースポイントもテープがあり。労せず落ち口まで案内してもらえる。そして、沢に戻ると、
眼前にどーんとデカい氷瀑が! 船小屋窪の大滝らしい。ある意味、和名倉沢大滝より立派だぞ。
近づいた。下端は幅15mくらい、高さは60mくらいかなぁ。2段構成になっている。こちらは条件がよければアイスクライミングできるように見えた。登るとしたら2~3p出るかな。
そして、船小屋窪からすぐの広い右岸幕営適地。倒木で区画されたみたいになっていて、キャンプ場か?!という感じ。ここに泊まると翌日の行程が長くなって大変なので、次の適地であるC1370mまで進むつもりだが。そして大滝を境に積雪が多くなってきた。
苔と岩と雪。
15m滝。右岸巻き。どんどん巻く。
早春の沢から、うすら寒い冬の沢に変わった。
これは巻くほうが大変そうだったので、右岸の氷をつないでそっと登った。
右岸巻き。
これも巻くと大変そうなので右岸の際を頑張ってへつって、そのまま滝の端っこを登った。
ちょっと危ういトラバース。手はガバだけど。
以下、どうやって登ったか忘れた。
C1300mくらいで、小さくまとまったゴルジュ内に小滝が連なる。右岸の雪面を巻き登り、トラバース。下りる時にはありがたいフィックスロープがあった。これでキャンプ予定地まで、もう目と鼻の先だと思ったが・・、
向こうにまた明らかに巻きな滝があるな・・。
遡行図の言う多段8*12mか? 釜が深く取り付くことはできず、右岸の急斜面が尾根っぽく収束するまで登って巻いた。私の巻きのライン取りが悪かったのか、全体を通じて核心になった。積雪で踏み跡は見えず、木が使えるとこは木登りし、木が途切れたら凍った土に手を突っ込んで押さえつけながら登った。ロープ出してたら2pくらいか。上がり切ってからトラバースした。沢に戻るのは難しくない。
時間も15時をまわり少々気が急く。
また半端に凍った滝ですか。早くツエルト建てて焚火で暖まりたいんですけど?
15時半ごろ、C1370mに到着し、幕。苦労して焚き木を集めた。凍り付いた木が多くて、火床が安定するまで時間がかかった。やがてよい焚火となり暖をとる。蚊もいないし最高だわ。月夜はしんしんとふけていった。21時過ぎまで飲みながらダラダラし、やっとツエルトに入った。夏用シュラフが少々寒かったが、湯たんぽを作ってザックを履いたら暖かくなった。何回も起きたが結局8時間も寝た。
2日目
7時半過ぎに出発。
最初の小さなゴルジュは陽当たりがよいのか雪があまりなかった。
このゴルジュ出口の小滝は巻けないので、仕方なく左岸をそっと直登した。張り付いた氷を壊さないようにそっと。リスクを冒すつもりはないので、ちょっと嫌な気分。こんな感じが続いたら嫌だな。
左岸沿いを登った。
積雪が増えてきた。ズボズボして歩きにくい。
5m滝が雪に埋まっているらしい。下から水流の音が聞こえた。上には8m滝が見えている。
8m滝は左岸沿いに登れば簡単そうだったが釜が深くて取り付けず。左岸巻き。ちょっと悪かった。
8m滝の巻き終わりがテラス状になっており一休み。そこから上流を見やった。遡行図を見ると向こうの滝は4つほどまとめて巻くらしい。そのあと小滝1つで内容的には終わりを迎え、C1680m二俣から詰めとなるようだ。さきほどから両岸が狭まり巻きが悪くなってきており、上流の滝も巻きが嫌な感じになりそう。二俣までは行こうと思っていたが、もうここで終わりでもよい・・かな? そうですなぁ、うん、ここC1540mで脱渓することに決めた。
来し方を振り返ってみた。ズボズボだったなー。
右岸の斜面を見やった。北向きなので日陰で雪。こちらを頑張って登れば和名倉山ピークに行けると思われるが・・、
左岸の斜面。南向きだからこの通り。こちらを登って登山道に出るのが唯一の選択肢、ってわけ。
途中でもう一回休憩をはさんで1時間半ほどで登山道のC1840m付近に出た。あとは下山だけだ。
楽しいスノートレッキング。
牧歌的な登山道。よい。
ふと、和名倉山を一瞥もしてないことに気づいた。あれかなぁ。一枚だけ写真を撮ってみた。
ショートカット下山するためC1369.6m(登尾沢の頭)から東に派生する尾根に下降路を変えた。問題なく登山道のように歩けた。
一か所、入渓点の鉄パイプの橋に行くには分岐がある。C780mくらいで、下記のごとく赤テープと穴(?)があるところを右折する。あとは踏み跡をつづらで外さないように辿れば、
鉄パイプの橋に着いた。来た時は気にしていなかったが、倒木に豪快に荒らされ、ひしゃげていた。
吊橋の下を飛び石渡渉し駐車場に戻った。
3/4(土) ヘアピンスペース(8:15)~出合(8:30)~パイプ橋から入渓(9:05)~氷谷出合(10:35)~連瀑帯(11:30)-和名倉沢大滝(12:10)~船小屋窪出合(12:40)~ C1370m適地(15:30)
3/5(日) BP(7:50)~C1540m脱渓(9:20)~C1840m登山道(11:00)~パイプ橋(13:35)~起点戻り(14:10)
装備:アックス1、ストック1、チェーンスパイク、アルミクランポン(不使用)、25mロープ(不使用)
ルート☟