隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

川浦渓谷・銚子洞~箱洞

樹齢はきっと数百年にも及ぶのだろうが、なんだか相対したときの気分では、それどころか太古の昔からずっとそこに鎮座していると思わされる、神秘と神聖そのものといったトチの巨樹

 

 

8/2 林道ゲート(8:30)~トイレ(9:20)~銚子滝(10:00)~太平・沢ノ又二俣(14:20)~適地(14:50)

8/3 BP(6:50)~左門岳(9:10)~箱洞下降点(12:30)~C780m二俣(14:05)~銚子洞出合(16:00)~起点戻り(17:35)

装備:ハーフロープ50m、補助ロープ20m、ハーケンハンマー

ルート☟

 

 

軽く検索するだけでも美しいんだろうなぁと憧憬できる、小さな沢旅。奥美濃川浦谷、銚子洞。沢を辿り、トチの巨樹に出会う・・。行く前から妄想でうっとりしてしまう幽邃のお山。

が、私は前夜の道の駅でぜんぜん寝れず、移動の車で寝かせてもらって、「あ?」と思って起きたらここ(↓)だった。先週と同じSさんとIくんというメンツで、朝から二人に頭が上がらない想い。寝ぼけまなこで準備して出発!暑い!

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「トイレ」の先から沢沿いの遊歩道になるようだ。ヒルがいるらしく、すぐに入渓。とりあえず水浴び。相当な観光開発をされているにもかかわらず、ぜんぜんそれを感じさせない奥ゆかしい自然である。

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渡らなかった吊橋。傾いている。

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30分ほどで銚子滝。なかなかの豪瀑。左岸の巻き道にロープも完備されてた。

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次のこちらも左岸にロープあり。

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美しい淵でSさんが泳ぎ出す。どうぞどうぞ泳いでください、と言って、水浴びはするけど泳ぎは拒否の私はへつり・・。

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左岸を胸まで浸かって一瞬キュッとなり、快適すぎる岩登りを涼しげにバーッと。

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小滝の左岸を凹角登りあり。

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15mほどの見栄えする滝。こちらも左岸からバーッと。

こちらの淵を過ぎると巨岩帯が近い。

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ちょっとした光景がいちいち美しい・・。森の沢が好きだー。

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こちらも左岸。左岸ばっかり笑。

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巨岩帯のメインどころでは、大きな転石で水流が幾筋にも分かれて複雑な沢床を形成しているが、ラインを選べばほとんど歩いて通過できる。自然のありがたい造形だ。

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巨岩帯が終わると一瞬穏やかな様相になり、

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明るいゴルジュ。

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うーーん、どうやって巻いたか忘れた。いや、記録写真を見たら、左岸をへつったようだ。

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大平との二俣。沢ノ又を釣りながら歩く。

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すばらしい適地をすぐに見つけるが、正直もうちょっとこの森の沢を歩きたい。5分だけとか言って、少しだけ進む。

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あー、幽邃とはまさにこれのことか。こんなところに来れて、嬉し涙が出そうだ。

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そしてトチの巨樹に挨拶を・・。

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適地に戻り、今宵の準備にそれぞれいそしむ。Iくんは焚き木を集め、Sさんは寝床を作り、私は釣りに行かせてもらう・・。大したコミュニケーションもなく、それぞれが働いて山の生活が成り立っていく過程が好きだ。1時間ほど釣って戻ると、すでに煙が立っていた。くつろぎタイムに突入である。Iくんが煙を浴びても大丈夫なように水中メガネをしていて、その異様な形相にSさんと大笑いした。楽しい夜だった。

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翌日、もうちょっと早めに出発予定だったが、6時半すぎに歩き出した。沢ノ又を左門岳まで詰め、尾根か沢筋を拾って箱洞を下降する周回コースをとるつもり。

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沢ノ又はゆっくりと歩きたい雰囲気の源流。

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しかし、斜面崩落したと思しき荒れた箇所から、ここは泥土で埋まり堰き止め状になっている。美しい自然は永遠のものではないと痛感させられる。それでも、滞留した水に大きなイワナがゆらゆら泳いでいる姿を見て、そう、これも自然のいち要素、となぜか納得させられたりもする。

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源流はさらに源流然とした様相に。

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C1040mあたり、左門岳への登路を分ける二俣。

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水は細り、

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やがて水はなくなり、沢型が終わってからたった5分の斜面登高で稜線に、そして1分で、

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左門岳に至った。ハートの形をしたグミを食べて休憩。登山道を少しだけ歩くと、

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ひいぃぃぃ~。

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登山道は南西尾根へ伸びており、私たちが進もうとした南東尾根からはすぐに離れていく。明神山へ伸びるこの南東尾根はなかなかに藪も濃そうだったので、いったん戻り、太平の源頭に下りて沢歩きで箱洞へ近づくことにした。

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大平も穏やかで魚影も濃くて、自然の豊かさや優しさを象徴するような風景。こっちにきてよかった。

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それに加え、右岸には南東尾根が並走している不思議な地形。下の写真は南東尾根がもっとも近づくポイントで、今歩いている沢からほんの20m向こうが稜線なのだ。思わず休憩タイム・・。

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右岸のごく短い支流を拾って大平と別れ、

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軽い岩登りと藪漕ぎをへて、

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今度は箱洞のC780m二俣へ向けて下降を開始する。

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下降はしょうしょう荒れており、暑さも相まってなかなか辛いが、C1,000mあたりで水流が生まれ水浴びして落ち着く。

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滝が3つあった。上からこの小滝は右岸巻き。踏み跡も濃い。

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これも右岸巻き。

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そして最後にこれを25mちょうどの懸垂で降りたところが二俣だった。休憩!

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二俣の滝は実に流麗に水を落としている。そうとなれば・・、Iくんが煩悩を払いに滝行タイム。ようやるわ。

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さて重い腰を上げて箱洞の下降へ。ちょっぴり時間も押しており、急ぎめの下降。1時間半もかからず出合まで。

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箱洞も美しい。

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下るのに難しい滝はない。それでいて、箱の名がつくとおりしばしばゴルジュ地形になり目を楽しませてくれる。

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一か所だけ残置で懸垂した。

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フリクションもよい。

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ウォータースライダーの滝。Iくんのズボンに穴が開く。

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すべてがよい。

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本流との出合。また30分休憩!SさんとIくんと、めっちゃキレイで楽しかった!みたいな話で盛り上がって、あとは来た道をスタコラ戻った。

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訪れる前から分かっていたことではあるが、ちょっとした風景がいちいち美しくて、ついつい何回も休憩タイムをとり、しかも1回あたり30分はのんびりしてしまった。でも、感じのよいところで休憩するのが何より楽しみなので、その時間を稼ぐために行動を頑張ってスピーディにこなしているってわけだ。ここで永遠に休憩していたいが、次の美しい風景も見たいからまた行動を起こす・・。そんな魅惑の行動原理がずっと続く。

そして、この谷は秋にどんな紅葉に色づくのだろうか・・。あのトチの巨樹は見上げれば空いっぱいに黄色の葉っぱを輝かせて、そよそよと揺れているのだろうか。紅葉の自然が一番好きな身としては、そのような光景を想像するだけで心がうづく。気になる。この眼で見たい。想像はもう自分の欲求をどんどん膨大させて、どうしようもない妄想を繰り返し生産する。気になりすぎて色々な妄想が止まらない。

また来たいなぁ・・。