隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

七面山南壁「Long Hope」

楊枝ノ森あたりから南壁を見やる。

超快適な楊子ヶ宿小屋。

七面山東方のC1520m鞍部からのアプローチ。テーピングされており迷うことはない。

Long Hope(12P・5.11-)濡れた取り付きから壁を見上げる。

1P目。数日天候が安定した後だったが登り出しが濡れていて怖かった。

2P目。ここも垂壁部分が濡れていた。

核心の4P目。アンカーから大分左側から階段状を右上し、核心。5手ほどのカチ垂壁で足がスメッジング気味で悪い。その後微妙にパワフルなハングを越える。

5P目。足とバランスで登る。

6P目。蛇行してハング超えなのでアルヌンを多用しないと流れがかなり悪くなる。

8P目。途中にアンカーがあるので2Pに分けられる。下の核心は微妙なハング超え。上の核心はハイステップから2~3手の細かいホールドとバランスが悪い体勢でガバへ右手出し。上の核心のほうが難しい。

11P目。実質最後のピッチ。登るにつれて脆くなっていく・・。

12P目終了点に埋められた初登者のプレート。

一瞬、景色を楽しんで・・

山頂へ抜けた。

 

初日は昼から七面山登山道をヘロヘロでハイクアップ。下降点を確認しギアをデポ。楊枝ノ森あたりの草原から七面山南壁が遠望でき、「わ~~」と思って疲れが若干飛ぶ。楊子ヶ宿小屋へ着き、水場を確認。チョロチョロだが水が出ていて助かった。出てなかったら撤退だったかも。秋は確実に涸れてるだろう。

翌日は陽が出る前の3:45に出発。5:30すぎに取り付き到着。6:00に登り始めた。最初の3Pはアプローチピッチで、4Pから壁が始まるようだ。全体的に岩は硬いが、壁の表面にはまっているだけの浮石がカツーンと欠けることが少なくなく、ホールド・スタンスのテスティングと慎重なスタティックムーブによって、足で登るルートである。一方で、ボルトはラインが明瞭で、かつ核心部分は短い間隔で打たれているため、ランナウト感はほどほどで、RFに難しさはさほどない。親切なボルティングだ。12P中、クライミングはコンテピッチを除いた9P。荷物を背負ったフォローがつらい。スーパークライマーのパートナーはサササッと登り、私はハーハーゼェゼェだったが、8時間弱でトップに抜けた。水は3リットル持ってたが、1リットル余った。

もうちょっと気合が入ってる時代だったら「多分二度と来ないからリード入れ替えてもう一回登って帰りません?」て言ってたのでは・・、と思ったけれど、無論そんな気力はなく、即下山。駐車地の手前の渡渉点で裸足になり、疲れて熱を持った足をクールダウンしたのが、とても、とても・・、気持ちよかった。

 

 

 

6/6 駐車起点(12:30)~七面山東峰(15:25)~楊子ノ宿小屋(16:40)

6/7 楊子ノ宿小屋(3:45)~鞍部デポ(4:40)~南壁取り付き(5:35)~Long Hope(6:00-13:45)~七面山東峰(14:00)~鞍部(14:15)~起点戻り(16:25)

装備:60mシングルロープ*1、クイックドロー*18(うちアルパイン*6)

ルート☟