隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

頸城・烏帽子岳

 

駐車起点(6:55)~登山口(林道記号終点)(8:55)~P1270(11:50)~烏帽子岳(13:15-13:35)~P1270(14:25)~登山口(15:30)~起点戻り(17:00)

ルート☟

 

 

谷根の集落から整備された田園地帯を上がっていき、スペースに停めて歩き出した。

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30分ほど歩くと林道が沢筋で分断された。これを契機に辺りは自然に激しく還り、何度か蔓状に絡まった藪に苛立ちながらの歩きとなった。

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やがて残雪に覆われた。あたりはカモシカの足跡が一番多い。照り返しが眩しい。日焼け止めを塗るのを忘れたのは失敗。サングラスも忘れた。

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林道記号のちょうど終わりが登山口になっているようだ。出発から2時間ほどかかった。快晴かつ気温も高い朝で、ダレた雪の道は支持力に乏しく一歩一歩滑りそうなのを我慢しながらの歩きで、もう疲れた。

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しばらくなだらか。残雪の具合で踏み跡が判然としないところもあり、赤テープがあるとホッとしてしまうよ。

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眼前が開けP1270mへの登りになるようだ。晴天でえらく暑い。木陰で一本とってどんな風に登ろうかと観察した・・といっても、まずあの木陰、次にあの木陰・・といった塩梅で直射日光を避けて登りたいというだけなのだが。

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ズボズボと雪面を蹴り込んで一歩一歩、カモシカの足跡を辿る・・。

 

尾根に上がると視界が開け、

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振り返ればすぐそこに日本海が見える。なんだか不思議だなぁ。

 

次は北烏帽子岳へ向けまた雪面を蹴り込む。途中で藪越しに登るべき烏帽子岳が見えた。あそこまで行けるのか? 時間で区切ってのピストン登山だから、ちょっと微妙なペースなんだが、でも行けるところまでは行こう・・。

 

正真正銘のヘロヘロで、やっと北烏帽子のピーク・・と思しきところまであと少しだ。向こうにはまた烏帽子岳と、さらに向こうに阿弥陀山が。行こう。すぐにピークからコルへと下っていく。

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引き返し設定時間は13時。烏帽子岳直下のコルに着いた今は、12時40分。最後の登りをこなしてピークまで、多分あと30~40分くらい。そりゃお疲れモードでも行かないわけには行かないじゃん? それに正直いうと久々のツボ足登山でホントに疲れてしまって、帰る理由を探している軟弱な自分がいるわけ。それじゃダメだよ。行け!と思ったね。自分のために行った方がいいだろ? 最後は残雪と藪のコンタクトラインを攻めて登った。

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登り切った!と思ったらまだ若干歩かされるのね・・。

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ああついに辿りついた、烏帽子岳のピーク。ああ。13時15分。少なくとも20分くらいはゆっくりするぞ! なんだか今までになくピークに来れたのが嬉しい。海谷の山稜を隈なく眺め尽くして、写真を撮り、写真を撮り、写真を撮り・・。同じ写真が増えるだけなのに、シャッターを押すのが止められない。多分なんとかして自分に焼き付けたいと思ってるんだろ、この山々を。

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右から、阿弥陀山北峰、とんがった南峰、鉢山。

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阿弥陀山南峰からコルをへて鉢山までアップ。

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昼闇山から焼山。

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逆方向に、阿弥陀山から千丈岳のほうへ下りていく尾根。

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その尾根の下部。

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尾根は不動川出合のほうへと降りていく。

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一方、前烏帽子のほうを見下ろして、吉尾平、アケビ平。

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山頂には蝶が舞っていた。

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帰り、P1270へ登る前に休憩したところで再度休憩。天然のベンチ。

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行きで苛立った林道の藪に、帰りは仕返しをされ・・、蔓を無理やり突破しようとしたが無理で、鼻の下を軽く擦りむいた。

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のどかな田園地帯に停めた愛車が日光で輝いている。あーすばらしい登山から帰って来たなーと思ったね。静かで孤独でとてもよかった。普通の登山では、すくなくともここ10年のなかで一番よかった気がする。頸城のお山をもっともっと登りたい。

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