隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

鈴鹿・東西多古知谷

11/3 小川山烏帽子岩左稜線

11/4 鈴鹿・東多古知谷 百閒滝

11/5 鈴鹿・西多古知谷 大滝(1pのみ)

 

この3連休は初日に小川で久々にクライミングをして、2~3日目で北アルプス有明山・中房川深沢右俣に行く予定であったが、悪天で転進して鈴鹿に。北アルプス稜線は風雪でマイナス何度。深沢はそこより里に近いといっても、谷は深く低層ガスとブルブルの寒さで厳しいと思われた。蛇足ながら、2日夜に小川山入りの前夜車中泊をした野辺山で0℃!だった。

 

 

11/3 小川山

半年ぶりの小川山では、Yさんと2人で行ってみたかった烏帽子岩左稜線へいった。アプローチも林道奥から20分くらいと予想外に近い。取り付きで知り合いのご夫婦に会う。ここは3回目というYさんが先に登り出し、ロープがピーンなったところでコンテで登りだした。適当なところで入れ替わり、僕がロープを引き、ルートがリッジ状になり、いい加減ロープが重くてどうしようもなくなってピッチを切った。さらにYさんとリードを1度入れ替えてコンテで進み、懸垂下降をはさんで、その上の5.7?くらいの短いハンドクラックと、その上のチムニーだけは普通にスタカットで僕が登らせてもらった。

終了点でだらだら時間をつぶし、知り合いのご夫婦を待った。彼らがチムニーから顔を出したところであいさつをして、下山した。烏帽子岩左稜線は岩稜や藪の登高がメインと思うので、フリーマルチのつもりで来たら、思ったのと違った、となる気もするが、八ツ峰縦走の練習などのつもりで来ればとても楽しいルートになるだろう。特にコンテの練習にぴったりの好ルートだと思った。

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11/4 東多古知谷 百閒滝

小川山から下山してから翌日の天気予報をみて、Yさん、Oさん、Hさんと行く予定だった北アルプスは残念ながら中止となった。転進先は天気がマシそうな鈴鹿に最終的に決まった。Yさんと移動し、御在所の道の駅へ。日付が変わるころ、OさんとHさんも到着して4人になった。4人という大人数?での山行は実に久しぶりだ。

朝起きて御在所を見上げるとそこだけガスがかかっていて不思議な様相。冬型の御在所はよくあることだとYさんから教えてもらう。スカイラインを走る度、温度が下がっていくのを感じる。駐車スペースで着替えながら軽くブルブルして、出発した。この沢は夏に僕はすでに一人で来ていたので、今回は3人に登ってもらおうと案内役のようなもので、気楽な身分であった。

3か月ぶりの百閒滝では、寒風が吹きお天気雨という不思議な環境。滝を登ってそのまま下りましょう、ということで空身になって、まずOさんが核心の1p目に取り付く。お天気雨は普通に雨に変わっており、とにかく寒い。僕は震えながらのビレイ。Oさんはびしょびしょになりながらも、安定したルートどりでどんどん登って行って終了点に入った。セカンドHさんが登り始め、Yさんはフィックス登攀。ラストで僕が回収しながら上がった。終了点につくと、すでにHさんがロープを伸ばしていた。2p目は1pと比べれば容易だが、Hさんもリードできて何より。

1p目のフォローは、直線的だったロープの流れに従ってクラック通しで登り、ワンポイントA0したが、前回ロープソロで登ったときより、えらく難しく感じた。一人のときはそれだけ気が張っているからだろうね、とOさんに言われた。仲間と一緒にいる安心感?もよいが、一人の世界に没頭しているときの集中力はやはり大きいようだ。さて、落ち口からは左岸の踏み跡をトラバース気味に下降し、枝尾根に進路をかえてさらに下降、傾斜が緩んだところで獣道を拾って百閒滝の下の小滝あたりに下りた。寒い。早く帰ろう、となり、さっと撤収して駐車場に戻った。少し寒くて雨ではあったが、百閒滝はすごく楽しかったので、Yさん、Oさん、Hさんという仲間に登ってもらえてうれしい限りだ。特に実質的に沢登りが初めてくらいのYさんに登ってもらえたのがよかった。Yさんからは「もういい」と言われたが笑。

 

 ←一瞬晴れたとき

 

 

11/5 西多古知谷 大滝

東多古知谷から温泉(ウェルネスホテル鈴鹿路。スタッフがすごく親切でおすすめ)に行って、明日どうするか相談。OさんとYさんは休憩室で睡眠モードになり、Hさんと僕がひたすらiPhoneでネットサーフィン。Hさんが「滝洞谷」はどうかと提案。そうでした。それを忘れていました。鈴鹿で行こうと思っていたところがあったんだけど、どこだったっけ、というのが滝洞谷だった。11月は水涸れしているそうだから、寒くても大丈夫だろう。さっとアプローチを調べて地形図をダウンロードして、入渓点近くの道の駅に移動した。

朝起きて入渓点に移動し、歩き出しの橋から鹿の死体が。参考にさせていただいたいくつかの記録の通りだ。堰堤を越え、石灰岩のゴルジュ入口で、おー始まりだーと思ったら・・深い水たまり。とりあえず右岸の踏み跡から巻いて懸垂で下り、奥を偵察してみたが次の小滝もなかなかの水たまり。どうやら最近の長雨で排水されていないらしい。涸れ谷だからと説得?して来てもらったYさんは、ずぶ濡れは絶対拒否ですでに下山モード。皆で検討してみたが、これじゃ時間もすごいかかるし寒いし撤退だね、となった。入渓即撤退。Hさんは突っ込みたかったなぁと情熱を見せてくれたが。

行き先を再び失い、御在所でクライミング?となりかけたが、いつでも来れそうな乾き登攀は今回の趣向ではなく、それなら昨日登った東多古知谷のとなりの西多古知谷の大滝にいこうとなった。車でまた来た道を戻り、紅葉ハイキングの車でいっぱいの御在所へ。西多古知谷出合付近のスペースに停め、支度。強い寒風がびゅうびゅう吹き抜け、震えながらギアを身につけ出発した。大滝は道路から入渓して5分でつく。

ここは夏にロープソロで取り付いて上部の凹角で敗退した思い出があり、次回さわるときも一人で、とは思っていたが、今回信頼している楽しい仲間と来れたので、これも縁かなと思い直した。1p目はHさんにビレイしてもらい、僕が登らせてもらった。前回同様、水流の右から左へトラバースするラインで登り出し、2つ目の凹角をエイドを交えて中段のテラス状に。前回はここで下降した。テラス状から核心の左上凹角だが、いいサイズのカムが尽きていてランナウトした。抜けも悪くてエイド交じりになった。抜けると大きなテラスになっており、フリーの岩場のようなボルトでピッチを切った。

後続の皆さんをと思ったが、滝洞谷から朝転進してきたため、登り出しの時間が遅くなってしまっており、すでに13時。このまま4人で落ち口に抜けて、川崎に帰るのは時間的に厳しい、という話になった。結果的に、Hさんのみフォロー回収で登ってもらい、そのまま下降することになった。Oさん、Yさんに登ってもらえず残念だが仕方ない。ときどき気合いの声を出しながら情熱的に登ってきてくれたHさんを、震えながら迎え、すぐ取り付きまで下降した。また落ち口まで抜けられず仕舞いだが、いつかまた訪れて続きをきちんとやっておきたいと思う。 

 

滝洞谷の入り口で敗退。 

 

←西多古知谷大滝

←登ったライン。