概 要:9/22 日帰り単独 雁坂峠から大荒川谷
ルート:道の駅みとみ(6:07)~沓切沢橋(6:53)~雁坂峠(8:26)~雁坂小屋(8:35)~地蔵岩(9:25)~小荒川谷・大荒川谷二俣(10:50)~1570m二俣(12:09)~1790m三俣(13:01)~東破風山(14:22)~雁坂嶺(15:20)~雁坂峠(15:35)~沓切沢橋(16:22)~道の駅みとみ(17:08)
装 備:補助ロープ25m(不使用)
雁坂峠は人も少なく地味に好きなところ。休日出勤していた前日にどこかへ行けないかと天気を見てみたら、奥秩父がいい感じに微妙で一日中濃霧と小雨になりそうなのを確認し、標高の高くない雁坂峠あたりを源頭とする笛吹川と入川の源流散歩に出かけよう、と急に思い立った。それだったら1泊行程らしい大荒川谷にも頑張れば行けそうだし、何より霧に包まれた原生林の沢を歩けるぞ!俄然盛り上がって出発した。
前夜泊した道の駅みとみから出発。4時に起きて4時半に出発しようと思っていたのに、6時ちょいすぎの出発になってしまった。みとみで早起きに成功したためしがない。峠沢沿いの登山道も軽くガスに覆われていて、冷気と湿気が気持ちよい。
雁坂峠。素通り。
さらに雁坂小屋も素通りし、川又方面の登山道を歩く。登山道を「地蔵岩」まで歩いて、そこからよさそうな斜面を小荒川谷へ下るつもりである。展望台の解説があった。展望台はとっても解放感のある岩場で、付近に来たら絶対寄るべき!
奥秩父でめずらしく広々とした雲海を見ることができた。奥に出ているのは両神かな。水墨画のように美しい。空模様から神秘的な感じの風景が見れるんじゃないかと期待していたのだが、ここまでよい風景が見れるとは思ってなかったな。ついつい展望台に長居してしまった。
これが地蔵岩展望台の岩場。ここから下を見る限り左側の斜面のほうがゆるやかで下りやすそうだ。少しだけ登山道方面に戻ってから、左の藪に入っていった。
最初は緩斜面。そこから勾配が急になり、このあたりらしい緩い地盤と立ち腐りした朽ち木で少々慎重さが求められる。獣道が豊富でいつまでも拾える。
小荒川谷の右岸側の枝沢に行き当たったようだ。そこから沢沿いを下った。
ガスが濃くなったと思ったら沢はガレで埋め尽くされ、なにやら陰惨な雰囲気。粛々と下るとすぐに左のほうから沢音が響いてくるようになり、小荒川谷本流が近いことが分かった。
小荒川谷。最初は枝沢と同様ガレの堆積が多くみられ、かなり荒れ気味である。
荒れた区間を過ぎると、短いながらもなかなかキレイなナメがみられた。
唯一あったこの滝は左岸から小さく巻き下った。
それからすぐに大荒川谷との二俣についた。右が大荒川谷。大荒川谷のほうが出合は「小」となっている。あと、見るからに暗そうな雰囲気。
二俣の大荒川谷左岸は広めの台地になっており、多少整地が必要そうだが大人数でも大丈夫な幕営適地。
大荒川谷に入ると格段に暗くなった。小荒川谷も北向きではあるが谷は広く明るかったが、こちらは谷が狭まっており光が届かないのだろう。 深山幽谷といえばそんな感じもするが、どちらかというと、怪しげな雰囲気かな。苔と黒い岩と水流のコントラスト。そして小滝が連続していて、どれも難しくなく、かつ巻こうと思えば簡単に巻ける。最初のこれは左が階段状。
これはどうだったっけ・・・。
これは見ての通り左から簡単に巻いた。
これは左から歩いて行ける。
ちょっと大きめの滝が出てきた。右の斜面から踏み跡を使って巻いた。
三条の前衛小滝を架けている、奥に倒木が刺さった滝。
右から登ったかな。ここまで、久しぶりの森の沢登りで楽しくなって、バーッと登ってきたが、見た目通りちょい滑りなので慎重に。本当はフェルトがよいだろうが、トレイルや藪漕ぎを考えるとゴム靴が勝手がよく、今日もいつものウォーターテニー。
似ているが、次も倒木が刺さった小滝。これは左岸を見るととても登れなさそうに感じたけど・・・
倒木を乗り越えて右岸に行ってみると、階段状になっていて簡単だった。
なにやら大きそうな滝が見えてきた。
15mくらいの滝であった。右が段々ホールドの連続になっていて、少しだけ水をかぶったりしながら、いかにもⅢ級といった内容で登れる。大荒川谷では登攀的には一番のアクセントになるところだろう。
ただし段々ホールドは微妙に外傾しているものも多く、また滑りもあるので、慎重に登らないといかん。滝上部から下を振り返ると、少し高度感もあり。
と、バーッと登ってきており、ふとお疲れモードなのに気付いた。ここで休憩。水を飲もうと思ったら・・。今日初めて背負ってきてみた、カモシカでたたき売りされていたブルーアイスの25L軽量ザックの横ポケットが、無残に破れていた。薄地だったからなぁ。多分小荒川谷への藪漕ぎで枝にでも引っ掛かったのだろう。小ペットが落ちずにあったのはラッキーだった。軽量で薄いザック使うときはもっと気をつけないといけなかったなぁ。ちぇ~。
また歩き出すとすぐに1570mの二俣についた。それなら二俣まで来てから休憩すればよかったな。ガイドブックを見ると左俣がいいらしい。ふむふむ、その通りにしましょう。
ここらでガスが立ち込め、いっとき望んでいたガスの中の沢歩きになった。
二俣上部では水量が減り谷が開ける一方で、苔と倒木が増えてくる。いくつか美しいナメがある。
倒木が刺さった小滝が多かったな。
1620m付近右岸で、2人くらいが泊まった跡がみられた。狭いがばっちり平らかになっていた。大荒川谷は幕営的地が少ないので、小荒川谷との出合を除き、ここくらいしか適地はみられかったと思う。
苔むした倒木の一本橋で巻いた。
ちょっとした風景が心地よい。
ナメ。ラバーソールでは滑ってしまいそう。
ひときわ大きかったこの3条のナメ、というかすだれ状滝は、もうお疲れモードだったので左岸から巻いた。
1790mの三俣を過ぎると水は一気に減って終わりが近い感が強くなる。水が減った一方で両岸の苔むした斜面が近くなった。
一か所狭まったところは倒木の海となっていたが、この状態で長年安定しているのか、中を越えるのはさほど苦ではなかった。
また一気に水が減り、ほとんどガレに伏流していった。水を汲んで、右岸の斜面を拾って沢から離れた。
地形図の2000mくらいから伸びている崩壊記号はガレ沢で、それを詰めれば多分最短で稜線まで上がれると思われたが、せっかくなので苔むした樹林帯の獣道や薄い人の踏み跡を拾って登高した。頑張って拾えばほとんど藪漕ぎはない。とはいってもヘロヘロになってゾンビの歩みで詰めをこなした。
稜線に何かでかい岩が見え、あれが山頂だ!と思い込んでラストスパートしたが、どうやら2180無名ピークで特に何もなかった。
うーむ、悩んでみたが、やはり集水域のどれかの名前が付いたピークには行きたい。登山てそういうものだろ。疲れた足に鞭打って、とりあえず東破風山へ向かうことにした。
ガンバレ山頂まであと10分!看板のとおり、しっかり10分かかって登った。
東破風山にやっとついた。大休止。実は本当はここから南尾根を下降してナメラ沢に出て沢下降し、沓切沢橋に戻ろうと思っていたのだが、早起きに失敗したことから時間はもう14時半。天気も悪化してきて雨がけっこう降っているし、そんななか藪漕ぎ下降から沢下降で日没になったらちょっと嫌だなぁ。暗いだろうなぁ。それにお疲れモード。思っていた周回コースを辿れないのは残念だが、安全策の雁坂嶺経由の登山道で来た道を戻ることにした。そう決めたら気が楽になって、ついついさらにここでのんびり過ごしてしまった。
笹原に立ち枯れしたシラビソ(?)の小道。そして濃霧に雨。こんなハイキングがしたくてきたんだなぁ。
雁坂嶺は素通り。
雁坂峠も素通りして、暗くなった登山道を下りる。暗いけど、笹原にブナ(?)なので全然気持ちよい。奥多摩みたいに杉植林だと真っ暗で陰惨だけど、ここは暗くてもよい雰囲気。
最後は雁坂峠登山口への踏み跡を素通りしてしまい、遠回りで林道ゲートに至った。ここから道の駅みとみまではわずか。雨のなかすごすごと車に戻った。そして西沢渓谷に繰り出した際はいつも行く笛吹の湯で温泉に入って、帰った。
長ーーーいトレイル、藪あり、沢ありで、ガスと小雨のなか、25㎞くらいのロングハイキング。なかなか楽しく歩けた。機会があったら行きたいなぁと思っていた大荒川谷にも行けたし満足である。今回は行けなかったナメラ沢や、滝川源流の古礼沢・水晶谷をつないでもよいし、あるいは甲武信のほうまで稜線歩きを入れてもよいだろうし、いろいろなルートどりができそうだ。
また道の駅みとみ発着でウロウロしにこよ。