隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

大源太山東面・αルンゼ

7月にアプローチ敗退した大源太山・αルンゼ。季節が10月となり、前回一緒に行ったSさんと再訪した。しかし、今回もまたαルンゼのラインをきちんとトレースすることはできず、中途半端な藪漕ぎで稜線に上がることになった。登っているときはラインがよく分からなかったが(ここはどこなの? まさかγルンゼなの⁈ などなど)、帰宅して調べてみるとどのように間違えたか分かった。藪漕ぎ三昧はこれはこれで結構楽しかったが、なんとも言えないイマイチさに笑ってしまった。たまにはこういう時もあっても・・、まぁいいかな。

正しいラインは、βルンゼから登って左のαルンゼにトラバースし、αルンゼを稜線まで。そして私らがたどった藪のラインは、βルンゼから登り出し、そのまま直上して藪に突入、行き詰って藪をトラバースしてαルンゼの上部に出て、また藪漕ぎで稜線。微妙に正しいラインの付近をウロウロしていた。

よい藪漕ぎの練習になった・・(⁈)

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大畠ノ沢1215m二俣を右俣に進むと最初藪だが、いつしか藪が薄くなり、眼前に東面がわぁっと広がる。シチュエーションはとても素晴らしい! この段階でもう満足。

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下部岩壁を沢筋沿いに適当に登り中段バンドまで詰めると「取り付き」という感じのα・βルンゼ基部。左がα、右がβルンゼ。右から左にトラバースするはずが、1pで右を真っすぐ上に登っていって、2pで左にトラバースできず藪に突入。

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3、4pで急な藪を無理やりトラバースした。

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はじめはよく分からなかったがαルンゼの上部に出ていた。もはや岩登りを頑張ろうという気になれず、5、6pで右の藪をこいで稜線に抜けた。

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αルンゼを見下ろした。これを登るはずだったんだけどねぇ。

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稜線から見下ろす。最後まで藪漕ぎ。ここから山頂まで歩いてたったの1分だった笑。

 

登攀データ

中段バンドまでフリーで登りロープを出す
1p:βルンゼ右側の岩を45m
2p:βルンゼ上部の藪を40m
3p:藪を左にトラバース10m(ちょい悪の露石帯があり短く切った)
4p:藪を左にトラバース25mでαルンゼ上部に出る
5p:αルンゼ右の藪を45m
6p:さらに藪を15mで稜線、そこから1分で山頂・・・

 

山頂につくと時間はもう14時を回っていた。時間がかかってしまったが、七ツ小屋山から謙信尾根を紅葉の縦走をして下山したいので、スタスタ歩き出した。ガスがかかってしまって大源太山のマッターホルンな姿をくっきり見ることはできなかった。しかしその分、ときどき降り注ぐ陽光に照らされ光輝いている笹原や、夕日に赤く染まっていく巻機山の方の稜線が見れた。ドラマチックな風景を堪能して歩けたので、なかなか満足。

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ガスに煙るマッターホルン

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輝く笹原

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笹原の向こうに夕日が下りてきた

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登山道の隙間から真っ赤に染まった巻機山の方の稜線が見えた

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大源太山にさようなら。αルンゼをちゃんと登りに再訪するときは今後来るだろうか・・?  下山して数日間はちょっぴり悔しくて、平日休んで単独でさらっとトレースし直そうと思っていたが、結局休みがとれず、寒くなってきて、ついに興味もなくなってきてしまった。

 

林道ゲート(6:50)~大畠沢出合(8:25)~1215m二俣(9:30)~中段バンド取り付き(10:45)~山頂(14:20)~林道ゲート(18:30)

装備:ダブル50m、ハーケン・ハンマー、カム(0.5まで)・ナッツ・ボールナッツ(ボールナッツ以外は使えるところがなく、藪支点用にスリング多めがよいと思います)

ルート☟

www.yamareco.com