隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

西上州・鷹ノ巣岩〜碧岩〜大岩


鷹ノ巣岩、碧岩、大岩という3つ並んだ岩峰を一筆書きで登る、というプランです。

西上州は私はあまり来たことがなくて、若いころに表妙義の縦走と、数年前に星穴、大ナゲシ北稜(だっけ?)に行ったことがあるのみ。ロープをちゃんと出して登る山行は今回が実質はじめてなのです。

むろんこれは私のプランではなくて、西上州も大家(?)のAさんからです。ひょんなことからパートナーにしていただいて、楽しいプランを共有していただいて、毎度感謝ですわ。

ルートは・・・、鷹ノ巣岩北稜から東稜を下降→碧岩西稜から東稜を下降→大岩西稜、って感じ。行ったことないし地形図で自分なりに妄想を膨らませるわけですが、実際どんななんだろ~。

 

 

鷹ノ巣岩北稜】

飛び石で渡渉したら目の前の尾根を適当に登るが・・、グズグズした急斜面をいきなりゼェゼェしながら一歩一歩、つ、辛い。とはいっても、それなりに踏まれていてルートが明瞭なのでその点は楽だ。P1、P2と過ぎて、P3の登りは若干クライミング的になった。P3からドカーンと下ってまた登る。このころ眩しいくらい太陽の光が差してきて、紅葉の木々が輝いていた。本峰基部でいかにもここからピークまで一気に登りますよ的雰囲気なのでロープを出した。3ピッチ目の途中でロープ不要と判断してまた歩き登り、最後にまた傾斜が増したので1ピッチ分出して、少しの歩きでピークについた。

6時20分に駐車場を出発して3時間後の9時20分にピークについた。ちょっとかかったけど許容範囲かな。Aさんも気合が入っていて、時間優先だし、写真がぜんぜん撮れなかったな。

飛び石渡渉し/いきなりゼェゼェの急登
P3への登りから傾斜が増した
本峰基部からロープを出した。1ピッチ:30mⅢ級以下でロープいらないくらい。斜度が増す手前で太い木で切る。2ピッチ:40mⅢ級、ぼこぼこした露石を繋いで登った。3ピッチ:20mⅢ級、露石を少し登ると踏み跡があり簡単なので短く切って、フリーで歩く。右から左に回り込み少し登ると壁が立ってくるので再度ロープを出した
4ピッチ:20mⅣ級、出だしが若干被り気味で、狭い凹角を登るとあとは藪の道。ロープは不要と判断し早めに切る。被り部分ではラインから外れた所でほそ~い枝に頼りない残置スリングがぶら下がっていて思わず「?」/右は鷹ノ巣岩ピーク

 

 

鷹ノ巣岩東稜付近を下降】

少し登山道を踏んでから東稜の藪を漕ぎながら下降。すぐ傾斜がかなり急になったので、50mロープ一本で先にAさんが下降、私が下降して合流したらもう一本の50mロープをAさんに渡してさらに下降、私は回収して合流、を繰り返し3ピッチ分(70mくらい)下りると、稜線上の鞍部だった。そこから東稜は顕著な岩のリッジになっており、その右側は歩きよさそうな落ち葉の急斜面になっていた。リッジを見上げながら急斜面をバーッと下っていくとあっという間に沢筋に至った。この沢を少し下流に行けば三段ノ滝があるだろう。落ち口付近で休憩タイムだ!

9時半にピークを出て、沢筋についたのが10時15分。たった45分で懸案だった下降が終わったのでホクホクですわ。

懸垂3ピッチ目は意外にも空中懸垂/鷹ノ巣岩東稜右の落ち葉斜面を下降
東稜の側壁/沢筋に無事下りた

 

 

【碧岩西稜】

比較的メジャーなルートだそうだ。目印の赤テープとケルンを見つけて踏み跡を辿っていくと、取り付きには先行パーティがちょうど登っていた。クライミングシューズに履き替えたので、ノーロープで登ることにした。先にAさんに行ってもらい、姿が見えないくらい間隔をあけて、自分のリズムを保ってエンヤコラと登った。いやー長くて疲れた。でも息を切らせながら三点支持で登るのは久しぶりで楽しかった。最後のリッジではロープをつないで登りたくてAさんに頼み込んでビレイしてもらった。

取り付き発10時45分→ピーク着12時ちょうど。1時間15分で登った。結構早かったのではないかな? ともあれ、自分としては相当頑張ったし、えらく楽しかったなぁ。それにしてもAさんは早いわ。すごかったわ。目処が立ったのでピークでまた休憩ですわ。

赤テープとケルン/碧岩西稜は歩きセクションも多い

眺めがよさそうな所を登っているAさん
ピーク直下のロープを出したリッジ/ピークについてウェーイ!

 

 

【碧岩東稜付近を下降】

この下降がもっとも大きな懸案と思っていたが・・、稜というより全体的に壁に近い急傾斜。地形的にも東稜は大岩へつながっていくものではなく、北側の沢筋に落ちていくので、忠実に拾うわけにはいかない。しばし登山道を下るが、どう考えても縦走ならこの登山道が一番合理的だよね?!とAさんと結論。でも私の希望で途中からバーッと大岩西稜まで斜面トラバースすることにした。というわけで、懸案の下降はまたも容易なライン取りであっさり解決することになった。

かかった時間はピーク発12時10分→大岩西稜の休憩ポイント着12時40分。一瞬だったわ。

懸垂下降したほうがよさそうな登山道!/途中で大岩方面を見やる。北側は切れ落ちている
大岩西稜へとトラバース/基部は崖のようになっていた

 

 

【大岩西稜】

最後の稜だが、明らかに登攀はなくて、歩くだけのようだ。稜の基部は岩肌が剥き出しになっている所もあったが、ちょっとした崖みたいな感じで、隣を歩いて登れるのであえて登ることもあるまい、とAさんと話しスルー。赤く紅葉している、そして意外によく踏まれている西稜を15分くらい歩いたら通常の登山道に合流し、すぐに最後となる大岩のピークについた。

休憩した所から20分でピーク。13時ちょうど。三つの岩峰を一筆書きで楽しく登山できた~。

紅葉の西稜を登った/ピーク直下の岩場

ピークから碧岩を見た

 

 

鷹ノ巣岩北稜の取り付きから、大岩のピークまで。結果としてこのようなライン取りになった。一筆書きの登山はよい! 大満足です。

 

下山は当初大岩北面をオモツ経由でと思っていたが、鋭い妙味にあふれる登山道に敬意を表し、登山道下山に変更・・・。と言いたいところだが、実は私が大岩西稜で休憩したところにスリングを置き忘れてしまったのが発覚!したことから、不可抗力で登山道下山となったのでした。でも三段ノ滝も下から見れたしよかったかな。

大岩西稜に置き忘れてしまったスリングの束を回収。ホッとした。いやー、大岩ピークで、あれ?ない?と気が付いた時は焦ったわ~~。ところでこの休憩ポイント、めちゃくちゃいいとこだったなぁ~。

 

 

 

三段ノ滝登山口(6:20)~鷹ノ巣岩ピーク(9:20)~三段ノ滝落ち口付近(10:15-30)~碧岩ピーク(12:00)~大岩ピーク(13:00)~起点戻り(15:15)

装備:ダブルロープ50m二本、カム小さめ1セット、ハーケン・ハンマー、スリング多め、クライミングシューズ、チェーンスパイク

ルート☟