隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

2019.4~2020.3クライミングの忘備

 

2019年度はネガティブマインドな一年だった。

忘れないようにクライミングの忘備を1年に1回は・・、と思ってはいたが、残念ながらそんなに登ってない。

いや、登れなくなってしまった。

2019年度は色々あって、春からずっと調子が悪かった。最たる要因は仕事のストレスであったが、身体的にも病気がちで不調なうえ、精神的な落ち込みが長く続き、そのトンネルを抜けることができなかった。そのためクライミングはおろか、気合の入ったお山にもあまり行くことはできず、基本はいくらでもエスケープできる無難なルートに計画を抑えていた。

フリークライミングのために行ったのは、4/20~22宮崎ショートツアー、6/2瑞牆カサメリ沢、6/9小川山、10/27瑞牆ボルダーだけ。

宮崎ではイケイケのWさんに頼り切りだったし迷惑をかけたなぁ。きっとWさんもイライラしたに違いない。

6/2の瑞牆カサメリ。超久しぶりにNさんとMさんという13クライマーペアとご一緒したが、11cくらいの課題で核心がまったく保持できなくて・・。

6/9の小川は・・、たしか雨で敗退してビッグロックに行ったような。

10/27の瑞牆ボルダリングはよく覚えている。Fさんと久しぶりにご一緒して、ナントカという初段を打ってるFさんをぼんやり見ながらクラッシュパッドで昼寝してた。

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正直のところクライミングはすごくしたいのだが、 故障から全力で登るのが難しくなっている。左の肩を長年痛めているのだが、クライミングだけならケアしながら登ることができていた。しかしながら、仕事のストレスが身体症状として肩をはじめ腰にも首にも耐えがたい痛みや不快感をもたらすようになったため、クライミングどころか日常生活にも支障をきたすほどになってしまった。倦怠感や、いつまでもとれない疲れ・・。石のようにガチガチになった肩でもジムは週1~2をなんとか維持し、だましだまし、細々と登っていたが、11月上旬に突然、ホントに突然、何も登れなくなった。クライミングに対してもネガティブマインドでいっぱいになり、心がクライミングと向き合えなくなったみたいだ。ルーフではガバも保持できなくなった。ストレスは限界を超え運動自体あまりできなくなった。

それでクライミングに関しては完全にお休みにし、知人に紹介してもらったスポーツ整形で実績のある船橋の某院に行った。しかし、X線をとるまでもなく、卒後数年の若い医師から「肩の腱板なんてプロ野球の投手でもなければ痛むことはない」と豪語され、明らかにコイツは大した症状じゃない、といった対応をされ心底ガッカリした。それでも理学療法士からリハビリメニューをもらって真面目にやってみた。2か月ほどクライミングを休んだら痛みはある程度引いたので、気が向いたときにちょっと登ったら、しっかり痛くなって、同じことの繰り返しだった。

それ以来、クライミングジムの頻度は、調子がよくて気が向いたときに行くか行かないか程度になった。登る時も負担の大きい前傾壁はまったく触らずに、スラブや垂壁だけ。あと、仕事のストレスをどうにかしないといかんと、いつもながらに思った。日常生活改善。まずそれからだなぁ、と。

ストレッチポールや筋膜リリースなどで出来るだけのケアはやって、お風呂で湯船につかって、睡眠をなるべくとるようにして・・・。

 

2020年度のクライミングの目標は、時間をかけて肩をちゃんと直し、また全力で楽しくクライミングができるようになることである。

 

さて、年明けからはアイスクライミングを立て続けに入れた。(↓ジョーゴ沢)

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1/3八ヶ岳西面 石尊稜

1/11~12八ヶ岳広河原沢 武藤返しの滝

1/24~25八ヶ岳西面 ジョーゴ沢の各滝、クリスタルタワーと赤岩大滝

雪が少なくて八ヶ岳ばっかりだったが、八ヶ岳は手軽だがそれなりに手ごたえもあり、一石二鳥。しかし、数回アックスを振るとやっぱり左肩がすぐダメになってしまい、ダメだこりゃとなってしまった。Ⅴ級を超えるとテン山になり、もはやユマーリングしようかというくらいだった。誘ってくれる数少ない山仲間に申し訳なかった。こんな有様の自分がご一緒するのは正直気が引け、ちゃんと取り組めるようになるまでは、一人で沢歩きくらいでやっていこう、と思ってしまった。

実は一昨年の秋に深沢右俣にご一緒したYさんと、冬の深沢右俣に行く、という大きな目標があって、冬を真面目に取り組もうと考えていたのだが、こんな自分では到底お呼びではなく諦めざるを得なかった。

 

もともと大したもんじゃないけど、自分のクライミングは、何年かかけてついにどん底まで来た感がある。

それでもなんとかして維持したいと思っているのは、あくまで目安に過ぎないけど、ジムの垂壁でリード5.11c・ボルダリング3級。これが維持できなくなったら、お山の活動を根本的に見直さないといけない気がしている。体と心のケアをしながら、粛々と出来ることをしよう。

今は昔の話だが、数年前フリーをすごく頑張っていた時に5.13aまで登った経験があるため、いまだに13クライマー扱いされるのが正直いって辛い。大したムーブも起こせず無様に落ちる私を見て、今日は調子悪いんですよなどと言われるが、今日じゃなくこれが実力なんですよ、と何回言ったことか。

 

ライミングも、生活も、仕事も、今一度ポジティブな部分を探して、現状を見直し、きちんとケアをしながら、適度に、焦らず、それでいて目標は出来るだけ持って、やっていきましょう。

必ず復活して、全力で登ることを取り戻してやる。

今までだってそうだったけど、これからだって、行きたいところ、登りたいルートが沢山あるんだからな~。