隠レ蓑

お山の日記と、日々の懊悩

西上州・橋倉川本谷

川沿いに道を歩いていくとアーチ状堰堤についたので、5~6mの懸垂で下りて入渓した。入渓するとお決まりの広河原になっている。歩くとすぐに出てきたやや滑る2条の小滝を左から巻くと石積み堰堤。その上はまた広河原。そして急に空が狭くなって第一ゴルジュ…

三浦半島、岩礁の道

20年ほど前によく三浦半島を訪れて、海沿いに整備された関東ふれあいの道を隈なく歩いたものでした。当時は仕事で毎日終電、金曜は徹夜で働いて土曜朝帰る・・みたいな生活だったので、とても登山なんて心境ではありませんでした。ふらっと電車で来れて静か…

南会津・楢戸沢奥壁

8/28~29 with Oさん 南会津・伊南川 楢戸沢~会津朝日岳北壁スラブ ・・・ できれば伊南川の出合から楢戸林道を歩き始めて、その末端から入渓したいところだったんですけど、アプローチがちょっと長すぎてくじけました。それで前沢林道から山越えして地形図…

奥秩父・鶏冠尾根

with Aさん 去年、川上村の五郎山を登ったときに、甲武信の稜線へとなだらかに伸びている尾根を見た。それがえらく印象に残っていて、天竺平尾根という名前だと知り、時間を見つけて歩いてみたいなぁと思っていた。その思いは、五郎山を一緒に登ったAさんも…

雨飾山、海谷渓谷

8/7、雨飾山・荒菅沢未満・・・。 とてつもなく暑い日。ひょっとして雪渓の状態によってはゴルジュが通過できない可能性が、5%くらいあるかな?と思って行ってみたら・・、おそらくその可能性は5%ではなくて50%だったようですなぁ。ゴルジュに弱々しく埋…

南ア鳳凰山 ドンドコ沢~地蔵岳

青木鉱泉から歩き出し、砂防堰堤の上から入渓。 と、左岸にボルダーが点在。チョーク跡も。登って楽しそうなボルダーはそう多くはないが、こりゃドンドコ沢左岸エリア、か? 朽ちた堰堤やギリギリ現役の堰堤をまだいくつか越えると、 最初の8mほどの滝。右岸…

息子と沢上谷(ソーレ谷)

3歳の息子と一泊の小さな旅にでかけました。まず上高地に行き岳沢湿原と小梨平を散策し、新穂高に移動して深山荘に泊まりました。二人で泊まり旅に出かけるのは初めてでした。上高地の自然で遊び、深山荘の川沿いの大きな露天風呂に入って・・、息子とのデー…

奥穂高岳 南稜

2021/7/3~4 奥穂高岳 南稜 with Oさん 前夜に相当荒れたようで、朝、土砂崩れにより始発バスが出ない。Oさんと一瞬途方に暮れたが、迅速な復旧作業のおかげでわずか50分遅れで出発。さすがは長野県である。とはいえ元々行こうとしていた明神東稜はキャンセ…

丸山東壁緑ルート(中退)

6/12~13 with Junさん 扇沢始発の7:30の電気バスでダムにつくと意外に釣り師の人が多くて驚く。観光放水前のこの時期、ダム下流の黒部川本流の水量は驚くほど少ない。心底驚く! 支流からの雪渓押し出しを避けて、下ノ廊下から早々に川底に下る。なんつーか…

三つ峠、夜霧の下山

アブミ登攀の経験がないというJunさんの練習に付き合い、三つ峠。天気予報が大外れで、終始曇り空で時折パラついた。けっ。 いや何を隠そう私も練習で人工ルートを登りに来たことはなく、これが初(笑)。思えば、アブミは滝とかでネイリングで使うために念の…

小菅川本谷~大菩薩嶺

朝、道の駅こすげで目覚めると豪快に寝坊していてもう7時だった。4時半起床だったんだけどな。 行こうとしていた沢はきれいさっぱり諦め、ガイドブックを開くと「大菩薩峠へ初級者向けの好ルート」という小菅川本谷が目に入る。大菩薩行きたくて来たんだから…

五郎山・マキヨセP2ルート

マキヨセピーク2と呼ばれる顕著な岩峰を初登した。 パートナーは昨年「五郎山ダイレクト」をご一緒したA沼さん。数々の脆壁と戯れてきたレジェンドであり、私の100倍経験のある頼れる大先輩である。 ルートは100m弱くらいのスケールで4p出して登った。 なお…

西丹沢 モロクボ沢・滑棚沢~白石滝

5/4晴れ with Junさん、西丹沢中川川・モロクボ沢~滑棚沢~白石峠~登山道から白石滝へ下降~白石沢下降。 年始に1回だけ房総に軽い沢歩きに行ったのをカウントしないとすれば、ちゃんとした(?)沢登りはなんと半年以上ぶりになる。 大混雑のビジターセン…

2020.4〜2021.3クライミングの忘備

意外なことに秋ごろに急にクライミングがしたくなり、数年ぶりに湯河原幕岩に通った。早起きしたくないし、遠くへ行くのも面倒くさいので、1時間半で行ける湯河原。ロープやハーネスを付けるのも面倒くさいのでボルダリングがメインである。 これまで数か月…

房総・小櫃川本流

石尊山北口参道付近の路肩スペースに停めて歩き出した。黄和田畑トンネルを過ぎ沢が近くなるとすぐに沢へ降りる踏み跡がみられ、労せず入渓した。 川幅いっぱいに低く広がった黒い水面。小さく丸く粘土質なゴーロ。そこかしこにゴミが目立つ里の沢。まぁいい…

五郎山の概念

折角なので五郎山について忘備的にまとめてみました。 五郎山は長野県川上村にある2132mの独立峰です。また西側にマキヨセという岩峰群を持っており、どちらも南面全体が数十~百m超の岩壁になっています。 登山道とピーク 下図は南面の概念図です。左の2つ…

五郎山下部スラブ

先日、五郎山から下山途中、バンドの登山道を横断したときになんか悪そ~~なスラブを見下ろした。ご一緒したA沼さんもおすすめ?してくれたスラブ。スラブ好きなので、えーいいじゃんと思って早速登りに行くことにした。もともとJunさんと晩秋の沢登りを予…

五郎山ダイレクト

五郎山南面全景。左端のスカイライン右側のフェース、ちょうど影になっているあたりを登った。ルート中残置は見られず、また岩壁すべてに人跡はなかったので、どうやら今回のA沼さん、M田さん、私の3人の登攀が、五郎山自体の初登攀だったようだ。 五郎山は…

湯河原幕岩・悟空スラブ

なんだかクライミングがしたくなり、1年以上ぶりに岩場に行った。まだ少し適期には早い湯河原幕岩。何年振りだろか・・。何回も何回も運転してきているというのに、海沿いを走っているとき「こんなとこ走ったっけ。伊豆にいっちゃうんじゃないか?!」などと…

西頚・権現岳東壁

万年雪に駐車して見上げる権現岳東壁。まじかで見ると思っていたよりずっとでかいなぁ。いやぁなんか悪そうだぜ・・。思わず「唾を呑む」とはこのことか、って感じでゴクリと唾を呑む。下部はぶっ立っている。上部はどこまでもゆるスラブが続いている。クラ…

大源太山東面・αルンゼ

7月にアプローチ敗退した大源太山・αルンゼ。季節が10月となり、前回一緒に行ったSさんと再訪した。しかし、今回もまたαルンゼのラインをきちんとトレースすることはできず、中途半端な藪漕ぎで稜線に上がることになった。登っているときはラインがよく分か…

黒部別山・中のガビン沢 未満

黒部ダムの下ノ廊下側の出口から黒部別山南峰南面を見やる。何度となく見てきた風景だが、今までと全く違った具体的な造形が見える。予習してきたからな。あれを南峰と認識したのは今日が初めてである。そりゃ今までは足早に通過するだけだったもんね。だけ…

吾妻連峰・松川

不忘閣ヒュッテ跡に駐車し、ちょっと狭くて勾配も急な林道を自転車でダウンヒル。太平神社付近にとめて林道終点まで歩き、踏み跡から松川に入渓すると矢沢出合まですぐだった。 本当にミルキーブルーの水色。ラバー靴だが滑りも個人的には気にならない程度。…

西丹沢・モチコシ沢大滝

with Oさん、Yさん、Sさん 「モチコシ沢大滝」は3回目。どうも自分の滝登りステータスをはかるバロメータになっているらしい。肩の次は腰を痛め、めっきりクライミングから離れてしまっている今日この頃だが、3回目は・・。 上段がコワカッタ・・・。初めて…

黒部川・小黒部谷~剱岳

with Junさん 8/29 番場島~ブナクラ谷~折尾谷下降~小黒部谷~780m適地 8/30 BP~下部ゴルジュ~上部ゴルジュ~1550m適地 8/31 BP~池ノ平小屋~北方稜線~剱岳~早月小屋 9/1 BP~番場島 装備:ダブルロープ50m(不使用)、フローティングロープ25m、ハーケ…

日光・アカナ沢~女峰山

ゲートから「ハイキングコース」と書かれたほうへ歩き出し、短い林道歩きからすぐ入渓した。広大な沢幅いっぱいに堆積した土砂のなかに、ほとんど埋没しているかつての砂防堰堤があった。 以前中央アルプスのとある”急勾配崩壊渓流”を歩いたことがあるが、現…

前穂高岳~A沢のコル

頻発する穂高の地震。いろいろ気になって、日曜日が一日だけ空いたので前穂にフラフラしに行った。 朝、前穂に向けて登っているときに二回、落石の音が響いた。前穂の山頂ですこーしだけボーっとして、A沢のコルに向けて下降した。前穂三本槍(ひょうたん池…

南八甲田・黄瀬川

2020/7/24~25 with Oさん、Mさん スタート地点である横瀬林道ゲートにOさん、Mさんを下ろし、僕は下山予定地である猿倉温泉の登山口まで車を走らせ、チャリデポならぬ車デポ。そこから横瀬林道ゲートまでの標高差600m・距離15kmを折り畳み自転車でダウンヒ…

大源太山東面・αルンゼ未満

東面の壁の取り付きを確認するところまでで下降した、越後のワイルドなハイキングであった。2回ほど道を間違え、パートナーもひょんなことから足を痛めてしまったりと、ハプニングがあったのでまぁ妥当な中退だろ。昨冬寡雪のこの時期は当然雪渓は跡形もなく…

銚子の伽藍(敗退)

単独。 小沼駐車場からツツジが峰通り登山道を歩き下り、沢が一番近くなる1100mくらいから下降した。下降の尾根は案の定の踏み跡があった。 入渓してからは火山といった渓相で、プチ巨岩の沢歩き。30分ほど歩けば1150mの二俣。 ちなみに二俣の手前、1120m右…